☆ 不死川実弥.多分嫌われてる ページ6
不死川さんは、多分私のことが嫌いだ。
言いたいことはちゃんと言えない。
うじうじばかりしている私に
いつも苛ついているに決まっている。
「さっきから何じろじろ見てやがんだァ」
『え…あ、別にじろじろ見ては…』
「俺が分かんねぇと思ってんのかァ?言いたいことがあんならさっさと言え」
『か、肩にてんとう虫が』
恐る恐る指をさすと自分の肩に目をやる不死川さん。
不機嫌そうに指で虫を払う。
不死川さんは怖いが、決して嫌いじゃない。
寧ろ惹かれていた。
本当はすごく優しい顔をすることを知った日から。
「チッ…そんくらい普通に言えねェのか」
でもやっぱり不死川さんは私のことが嫌いだ。
ーーーーーーー
Aは、多分俺のことが嫌いだ。
なんでも強く言ってしまう。
いつもカリカリしているような俺に
怯えているに決まっている。
『チッ…そんくらい普通に言えねェのか』
つい舌打ちなんてしてしまうとAはいつも困ったような顔を更に引きつらせる。
「ごめんなさい…あ、またてんとう虫が」
いくらなんでもてんとう虫飛びすぎじゃねェのか…
『群れで居やがんのかァ…?
うおっ、こっち来やがった!』
「…ふふっ、懐かれてる」
彼女がたまらず吹き出したのを見逃せなかった。
「…あ、ごめんなさい」
Aは少し控えめすぎると思うが、別に嫌いではない。
寧ろ惹かれている。
本当はとても強い心を持っていることを知った時から。
『いちいち謝んなよ、気分悪ィだろ…』
「ごめんなさい、あ、また謝っちゃった…」
すぐに泣きそうな顔になるのは惜しい
もっと笑うのを見ていたかった。
『…ん』
「へ?あ、てんとう虫…」
ちょうど指に止まったてんとう虫を見せる。
『…懐かれた』
「…ふふ、そうですね。すごいなぁ」
無邪気に顔を綻ばせるAは可愛いらしいと思った。
「不死川さんが優しいからですね」
『優しい…って、テメェ俺のこと…』
「…あ、聞こえてました?」
聞こえないように言ったつもりだったのだろうか。
「気を悪くしたらごめんなさい、他意はなくて…」
『そんなことで怒らねェよ』
「…」
目をあわせているとなぜかAの顔は赤く染まっていく。
そして、顔を気まずそうに背けるが、耳まで赤い。
…Aは俺のことが嫌いだ。
そう思っていたが、間違っていたのかもしれない。
178人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いのり(プロフ) - みなさんお久しぶりです作者のいのりです!最近更新頻度かなり落ちてて申し訳ないです。今は長編メインで書いているのでこっちの短編は息抜き程度で書くことになると思います。リクエストは受け付けていますのでぜひお願いします!!いつもありがとうございます (2021年8月12日 23時) (レス) id: a2d88c155e (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - いのりさん» 善逸をもう少し増やして欲しいです!!!!!!伊黒さんで過保護。お願いします。 (2021年6月17日 23時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - いのりさん» 伊之助…………、可愛い…………。(///ω///)リクいいですか!?(?_?)獪岳(人間時)でツンデレ。かまぼこ隊のヤンデレ。お願いします。 (2021年6月17日 23時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - 伊之助ので、夢主が看病してもらう話いいですか? (2021年6月12日 21時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪 - 千寿郎君で、花火大会。お館様の妹で過保護お願いできますか (2021年5月31日 21時) (レス) id: 1d6f0bde69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ