好きで溢れて【鬼滅の刃_短編集】

☆ 煉獄千寿郎．花火大会 ページ29

注:すごくアホな話



私は煉獄さんと向かい合っていた。
明日は師範である煉獄さんと、その弟である千寿郎くんと花火大会に行くことになっていたのだが…

『師範！ここは気を利かせてくれませんか！？』

「よもや…千寿郎を狙っているのか」

『はい！千くんを私に下さい！』

「断る！」

これはれっきとした交渉。
私は前々から千くんを嫁に(？)したいと思っているので
こんな大チャンスを師範に邪魔されてはたまらない。

「俺は邪魔者扱いか、悲しいぞ！あとうちの千は誰にも渡さん！」

『どうしてですか！必ず幸せにします！』

「そういう問題ではない！」


ということで、結局おじゃま虫(煉獄さん)が来てしまった。

『私は二人っきりで来たかったのに…』

「君のような危ない人間と千寿郎を二人にさせるなど言語道断！」

「Aさんは良い人だと思いますが…？」

あぁ、千くんが今日も天使。やっぱり私の嫁！

「千寿郎を変な目で見るな」

『兄上怖ーい』

「君に兄上と呼ばれる筋合いはない！」

「落ち着いてください二人とも。どうして今日はそんなに仲が悪いんですか…」

今日はというか、千くんのこととなると私たちは基本こんな感じ。

昨日なんて斬り合いに発展しかけた。

とにかく、このままじゃせっかくの
『千くんを花火大会で私の虜にしてやろう大作戦』が台無しだ！

仕方ない、こうなったら…

『師範、これが見えますか？』

私は袖からさつまいもを取り出した。
師範の目の色が変わる。

さつまいもを放り投げると、師範の注意が逸れた。

その隙に、千くんを抱き上げる。

「Aさん！？」

『今日はいい夜だね、千くん。駆け落ちといこうか！』

「あっ、待て！俺は犬かーっ！」


叫ぶ師範を背に全力で走る。
人混みを縫って河原に出た。

『時間ちょうどだね。…乱暴にしてごめんね』

「いえ…」

千くんを降ろしたが、少し目をまわしているようなので私の体に寄り掛からせる。
すると、花火があがる。

千くんの肩をそっと抱き寄せた。

『綺麗だね、花火も。千寿郎くんも』

ここで口説き文句。落ちてくれ、千くん。


「Aさん…
後ろ…」

『後ろ？』

言われて振り向くと、師範が怖い笑顔で背後に立っていた。

「兄上、来てくれて良かったです。
俺は、兄上とAさんと三人で花火を見たかったから」

「『千寿郎…！』」

「…今回は千寿郎に免じて休戦としようか」

『そうですね…兄上』

☆ 嘴平伊之助．特効薬→←胡蝶しのぶ．友情

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す