好きで溢れて【鬼滅の刃_短編集】

☆ 竈門炭治郎．べた惚れ ページ25

『あ、炭治郎だ。おーいたんじろー！』

「A」

炭治郎の綺麗な目が、私をうつした。

『炭治郎聞いてよ〜、さっき鬼と戦ってきたんだけどね
引っ掻かれちゃって、すごく痛いの！』

「そうか…そんなに大声を出したら傷に響くぞ」

優しい…泣きそう。

『でもね、誰も心配してくれないんだよ！
たしかにこんな傷くらいよく負うのかもしれないけどね』

「他の人と比べなくても、Aが頑張っているのは事実だ」

『炭治郎〜！！』

この子はまったく、なんて良い子なんだ。
何食べたらそんなふうに育つの？

『大好きだよ炭治郎、結婚しよう』

「善逸みたいなこと言うんだな」

『善逸ほど軽々しくないから。
はぁ、炭治郎のお嫁さんになる人は幸せだよね』

いい旦那さんになるに違いない。

「Aだってそうじゃないか？
美人で優しくて明るいし」

『ふえぇ…好き…』

半ば本気で籍を入れないか炭治郎。
炭治郎なら一生をかけて幸せにする。絶対。

『あ、ちょっと待っててね炭治郎！』

「あぁ」

『お待たせ！』

「速いな！？」

『炭治郎、私との未来を本気で考えてもらえませんか』

ひざまずいて花を渡す。

「綺麗な花だな」

『ふふ、この花言葉は永遠の愛』ﾄﾞﾔｱ

「ありがたく受け取らせてもらうよ」

『やったー！』

嬉しそうに花の匂いをかぐ炭治郎。
私も嬉しい…けど

『あれ、結婚してくれるの？』

「何言ってるんだ？
もとからそのつもりだったけど」

『え』

もとからとは？いつから！？

「Aが先に言ったじゃないか。冗談だったのか？」

『いやいや本気です！誓います！』

はぐらかされてるのかと思った…

『じ、じゃあ私今日から竈門になるね！
禰豆子ちゃんにご挨拶しなきゃだね！報告も！』

「あぁ、そうだな。これから末永くよろしく、A」

『はい！！』

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