☆ 大好きなみんな ページ19
私は鬼殺隊のA。剣術の才で柱にまで上り詰めた。
みんなを、護るために。
私の父上は産屋敷耀哉。鬼殺隊を統べる者。
きょうだいは五人。五つ子だけど、私だけ歳が離れている。
私がいちばん上のお姉ちゃんなんだ。
『蜜璃、今日もかわいいね』
『実弥、また傷が増えたんじゃない?』
『無一郎、あの雲はひつじ雲っていうんだよ』
私は柱のみんなが大好き。
鬼殺隊の人はみんな好きだ。
父上の子らしいから、私のきょうだい。
つまり正確に言えばたくさんのきょうだいがいることになる。
『うん!じゃあ私任務だから、また会おう!』
鬼殺隊は鬼を斬って人を護る仕事だ。
今日も私は人を護るんだ。
『…ごほっ』
不意に体の痛みを感じ、咳き込む口を押さえると、血が出ていた。
無理をしすぎたようだ。
私は生まれつき病弱だった。
その代わりに、戦う力だけはあった。
矛盾しているようで、皮肉な話だ。
私はこの呪われた、なんて言われる家系の中でも異質な存在ということは分かっていた。
大量の薬を飲み、発作的な症状を抑える。いつまでやっていけることだろう。
このことは血縁の人しか知らない。
鬼殺隊のみんなが知ったら、心配してしまうから。
心配されるのは嫌いだ。特別扱いなんて嫌だ。
私はみんなと同じ人間として産まれたんだ。
『かはっ…ふぅ』
知らなくていい、これでいい…
「…A」
『ぎ、義勇』
どうしてこんなところにいるんだ。
「Aさん、顔色が悪いですね。休まれてはどうですか」
『しのぶ』
「君が苦しんでいると俺たちも哀しくなる」
「その通りだァ、隠し事なんて水臭ェ」
「あんたのこととか全部、分かってるし…」
「派手にお見通し、ってな」
『杏寿郎、実弥、無一郎、天元』
「私たちの仲じゃない!なんでも言ってよ!」
「まったくだ。一応、お前のことはそれなりに信用しているのに」
「私たちは無二の仲間だ…」
『蜜璃、小芭内、行冥』
大好きなきょうだいがそこに居た。
全部分かってた。知られていた。
けれど、いつものように暖かい眼差しを向けてくれるきょうだいが。
『うん…うん、ありがとう。ありがとう、みんな』
涙が溢れていた。
私はみんなのことが大好き。
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いのり(プロフ) - みなさんお久しぶりです作者のいのりです!最近更新頻度かなり落ちてて申し訳ないです。今は長編メインで書いているのでこっちの短編は息抜き程度で書くことになると思います。リクエストは受け付けていますのでぜひお願いします!!いつもありがとうございます (2021年8月12日 23時) (レス) id: a2d88c155e (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - いのりさん» 善逸をもう少し増やして欲しいです!!!!!!伊黒さんで過保護。お願いします。 (2021年6月17日 23時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - いのりさん» 伊之助…………、可愛い…………。(///ω///)リクいいですか!?(?_?)獪岳(人間時)でツンデレ。かまぼこ隊のヤンデレ。お願いします。 (2021年6月17日 23時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - 伊之助ので、夢主が看病してもらう話いいですか? (2021年6月12日 21時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪 - 千寿郎君で、花火大会。お館様の妹で過保護お願いできますか (2021年5月31日 21時) (レス) id: 1d6f0bde69 (このIDを非表示/違反報告)
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