彼の尽力 ページ20
BFとピコ君と一緒にデパートで買い物に来ていた。BFとピコ君に、「ショッピングしたいから一緒に来て」と誘った所、2人とも快諾してくれた。BFは嬉しそうに、「ああ、いいぜ」と言ってくれた。ピコ君に関しては若干渋っていたが、それでもついて来てくれた。2人の優しい所が垣間見える一瞬である。
少し話がズレたが、要は2人には荷物を持って貰う為に来てもらっている訳だ。ある意味酷いが、BFにはデートという意味を、ピコ君には友達付き合いとしての交流を兼ねているから許して欲しい。
この時点で、何故私がショッピングに2人を連れて行くのかは検討がついたと思う。理由は先に述べた通り、荷物持ちとしての役割と、それぞれの付き合い。
ただ、BFに関してはそれら以外にもう一つの理由がある。それは、彼が頑張っている姿を見たい、という個人的なものによる理由だ。
私は大量に物を買う癖があって、一回の買い物につき5〜10個程の物を買う。最初の、付き合いたての頃はまだ遠慮して自分で持っていたが、少し日にちが経つと彼は。
「このくらい持てるよ」
そう言って私の持っていた持ち物全てを持ってくれる様になった。それからというもの、ショッピングで一緒に行く時は必ず荷物を持ってくれる。荷物持ちに関しては彼からの申し出なので、更に買い物の量が増えるのは仕方が無い。
つまり私は、彼が荷物を持っている姿を見たい、と言う訳で。変な趣味と思われるかも知れないが、決してそんな事は無く。正しく言い換えるなら彼氏が頑張っている姿を見ていたい、と言う事だ。
私が買い物をすればする程、彼の腕、手の中にどんどん荷物が増えていく。それを無理してでも、喜んで持ってくれる。たとえどれだけ腕に買い物袋がぶら下がろうが、持っている荷物が山の様に積み重なろうが、必ず持ってくれる。
気遣ってくれる優しさと、どんな事でもやってのけるカッコよさ、何事も諦めない努力している姿。これらを見たくてショッピングしているまである。
荷物持ちとして歩き回し、こき使っている事に罪悪感を感じない訳では無い。寧ろ毎度申し訳なく思っている。それでも嬉しそうにしてくれる彼が好きで、ついつい同じ事をしてしまうのだ。
「なぁ…、ピコぉ…。これ持ってくれない……?」
「ヤダ」
「ええぇぇぇ……」
「彼女にいいトコ見せるんじゃなかったのか?」
「それは…、そうだけどさぁ……」
ゲンナリしつつも、自力で頑張っている。そう言う所が好きなのだ。
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作者名:適当でぽよぽよ | 作成日時:2021年7月25日 18時