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男の指す「興味」 ページ16

「興味…?」
 余りにも予想しなかった言葉に、思わず鸚鵡(おうむ)返しで聞き返す。"天使"の男はやはりというか、困惑に満ちている今の状況でもあっけらかんとしていて、ドーナツを食べ進めながら答えた。
「ああ」
「ちょっと待って、どういう事なの?」
 流石に意味が分からない。私を殺そうとする為に見張るとか、"人間"のBFを守る為とかならまだ話は分かる。だが、「興味」とは何を指すのだろうか。
 考えられるのは、私たちの仲とかBFが見える要因とかだが…。どうも頭が思った以上に混乱している様で、訳が分からなくなってきている
「おいおい…、もう昨日の事忘れたのか?」
「忘れてなんてないわ。でもそれとこれがどう繋がるというわけなの?」
 昨日の襲撃未遂事件と男の「興味が湧いた」発言。関係性が全く見出せずに困っていると、男は咀嚼していたドーナツを飲み込んだ後、面倒臭げに溜息を吐いて答えた。
「お前はこれからも狙われ続ける。俺が居る限りな。何だったら今ブチ抜いてやってもいいんだぜ?」
 笑みを浮かべ挑発しながら私に迫ってくる。それに対して何か一言言い返してやろうと思う間も無く、直ぐに距離を離した。
「…だが、『それ』はもう飽きたんだよ」
 そして、何処か遠くを見つめて何かを思い起こす様な顔つきになって呟いた。ただ。
(…え?)
 ーーその表情は何処か苦しそうだった。
 何故、そんな表情をするのだろうか。そもそも今までの会話の中に何かそういう要素があっただろうか。
「…どういうこと?」
 BFは直ぐに彼の質問に問い詰める。考えている暇は無かった。
「この女は始末しない。その代わり、俺はお前達に着いて行く」
「…え、?」
 またBFが呆気ない声を出す。彼は"悪魔"と"天使"の関係性を知らないから、何を言っているのか全く分からないのだろう。ただ、男の言った「興味」が何なのかはなんとなく分かったかもしれない。
 恐らく、「興味」と言うのは私たち二人の関係性の事を指している筈だ。そして着いてくる理由は、これから私たちの関係性がどうなるのか確かめたい、という事だろう。私たちの関係は"天使"にとっても"悪魔"にとってもイレギュラーなものだ。
 ただ、それでも腑に落ちない所がある。分からない所だってある。男の言っている事は本当なのだろうか。何故、突然着いていくと考え出したのか。
 どうにも、一筋縄ではいかない出来事になる予感がしていた。

和平交渉→←予想外な態度



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設定タグ:FridayNightFunkin' , FNF   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:適当でぽよぽよ | 作成日時:2021年7月25日 18時

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