７９話 ページ6
《Aside》
A「あの頃の私は打刀ではなく、あれ、打刀ではなく・・・？」
確かに私は打刀じゃなかった。
それは分かるのに。
肝心の刀種が分かんないなんて。
審「A、どうした？」
主が心配そうに聞いてくる。
A「ごめんなさい。・・・元々の刀種がどうしても思い出せません。」
審「まぁ、他にもそういう奴らいるし気にすんな。」
A「はい・・・。えっと、取り敢えず、打刀じゃなかったんです。そんな私が店に並んでるところに元主がやって来て。」
A「私を一目見て言ったんです。『似てるな・・・。』って。」
A「その頃の私には、その言葉の真意が分からなかった。」
涙が滲み始め、視界がぼやける。
零れそうになった涙が誰かの手に拭われ、消えた。
私は再び前を向く。
A「そして私は磨りあげられ、打刀になりました。その理由は、使いやすくするためだと思っていたんです。」
A「けど違った。」
付喪神として顕現された時、自分の紅い目を見て思った。
A「元主は沖田総司に憧れていた。彼のやっていることは全て真似た。彼の持っているものも真似ようとした。」
加「え・・・？」
A「元主は、私を沖田総司の愛刀、加州清光に似せようとしたんです。」
加州清光と同じ、紅い目は、きっとその名残。
A「・・・けど、私じゃだめだった。やがて元主は、私よりも加州清光に似ている刀を見つけました。私は忘れられた。」
加「A、」
A「私が、こんな中途半端な姿じゃなければ！もっと精巧な、完璧な写しならば！もう少し大切にしてもらえたかもしれない！！！」
山「・・・っ！」
A「あるいは加州清光の贋作として生まれていれば！私は、私はあんな不名誉な最期を迎えなくて済んだかもしれない！！！」
曾「・・・。」
A「精巧な写しでも、巧みな贋作でもない私は不要になり、刀身に斬った相手の血がついたまま放置されました。」
そうして暗闇で迎えた最期。
A「徐々に刀身が錆び、私は朽ち果てました。」
審「じゃあ、Aの刃生の終わりって・・・」
A「元主の手入れ放棄による刀身の錆び、です。」
A「暗闇の中で、手足の先が徐々に腐っていく・・・まさに生き地獄でした。」
A「どうせ壊れるなら、戦って折れたかった・・・。」
言い切った時、誰かに抱きしめられた。
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家が好き - イラスト超かわいいかったです♪これからも楽しみにしてます！ (2017年5月7日 8時) (
レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 御晴さん» 続編薬研ルートのパスワードは、４月あたりの解除を予定しております。申し訳ありませんが、今解除しても話は１つもありません。 (2017年3月17日 16時) (レス) id: 0ca56b4642 (このIDを非表示/違反報告)
御晴(プロフ) - 初コメ失礼します。続編のパスワードを教えていただけないでしょうか？ (2017年3月17日 6時) (レス) id: f8b853b1bc (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠@(´・ω・` ) - パスワード教えてください; (2016年12月23日 0時) (レス) id: d063df68c4 (このIDを非表示/違反報告)
桜木鈴音(プロフ) - パスワード教えてほしいです (2016年12月22日 20時) (レス) id: dfc8c84581 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺羅 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年2月7日 17時
