【あほの坂田】ねぇ、殺人鬼さん。 (ページ2)

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第2話ページ2

清々しい気持ちをもっと味わいたくて、寄り道をして帰ることにした。

いつもは、家に直行で帰るので、コンビニ周辺には何があるのかは、分からない。

もしかしたら、隠れ家みたいなカフェがあるかもしれない。

はたまた、可愛い文房具屋さんがあるかもしれない。

そう考えると、私の心は、ドキドキと高鳴っていた。

こんな私にも、まだ好奇心というものがあったのか。

少しだけ、嬉しかった。

まだ、私には、子供らしさが残っていた。

それだけで、幸福感が、満たされるのだ。

自分でも、変わってるってことは、自覚している。

それでも、私は、嬉しくてたまらなかった。

そんなことを考えながら、私は、浮かれた気分で、コンビニ周辺をぶらついていた。

・・・はずだった。

『・・・あれ・・・？』

辺りを見渡すと、全く知らない風景。

人通りが少ない道。

暗く、薄汚い道。

それは、世間一般で言う、路地裏というものだった。

『・・・ここ何処？』

私は、もう一度、キョロキョロしてみた。

・・・が。

一面に広がる、路地裏。

・・・いつのまに入ってたんだろ。

いつもこうだ。

考え事をしながら何かをしていると、考え事ばかりに集中してしまって、もう片方は、手がつかなくなるのだ。

でも。今回は、命に関わる大事なことだ。

・・・私、遭難したかもしれない。

しかも、ものの数分で。

やばいやばい。

スマホは、家にあるし。

何より、私方向音痴だし。

『うわぁぁぁ・・・』

絶体絶命！！！！！！！！

どうしよう、、

キョロキョロともう一度見渡してみると、やっぱり誰もいなかった。

はぁ、と盛大に私はため息をつく。

もう駄目だ。

そう思った時だった。

.

⁇「話ってなぁに？」

女の子の声が聞こえてきた。

声的に、同年代の子だろう。

話ってなぁに、と言っているくらいだから、1人では無いのだろう。

2人いるなら、好都合だ。

私は、一歩を踏み出した。