【呪術廻戦】地獄を、貴方と【夏油傑】

7話＿そちら側からの話 ページ9

夏油side＿＿＿＿

……結局のところ、彼女からはなんの返事も聞けなかった

ごめんなさい、と初めて覚えた言葉を繰り返す幼児のような彼女を見ているうちに何となく申し訳なくなって
……そのまま家に帰してしまった


彼女の両親にも近いうちに挨拶に行こう、と考えているもののなかなか気が進まない


どうせろくな家庭環境では無いようだし、何も言わずにとっとと連れ去ってしまった方がいいのではないだろうか


「……紫桜」


1人の教室で、彼女の名前をつぶやく


今日の彼女を思い出す

……いつもの事だが、彼女はどうしてああもよく怯えているのだろう


やはり心当たりとしては両親と……愛華、だろうか


表向きは仲良くしているように見えるが、愛華の言葉の端々には棘が見える



悟は愛華にゾッコンだし、きっと紫桜のことは眼中に無いだろう

思うところがない訳では無いが、私とて紫桜にゾッコンで愛華のことは眼中に無いだけで


……女の趣味が合わなかった、と言うだけの話だろう

気にするだけ無駄な気もする



硝子も、おそらくは愛華の側だろう

そもそも紫桜は人見知りで吃音、挙句あのコミュ障……友人ができないのも、まあ無理は無い


でも、少なくとも私はそんな彼女に救われたのだから

今度は、私が＿＿＿

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