【呪術廻戦】地獄を、貴方と【夏油傑】

21話＿凶弾 ページ23

『っ……邪魔、邪魔です！消えて！！』

呪力を振りかぶって、周囲ごと巻き込んで街を壊す

「……脆いね、君はずっと」

苦笑いしている、変な前髪の人


大きな呪霊を呼び出して、私へ向かわせてきた

それを呪力で押し返す、戦法としては無理が過ぎたがどうにか渡り合えていた

……引き裂かれるみたいに、胸が苦しい

痛い。痛い、痛い、痛くて痛くて痛くて＿＿

『……嫌、や、いや、やだ、死にたくない……！！！』

叫ぶ、こんなに大きな声を出したのは初めてだった

「……っ、殺さない！」

おおきなこえだ、怖い
……何を、怖がる必要があるというのか

私、私は強いのに


「私が守る。だから、君は＿＿」

……あぁ

＿＿＿ようやく、隙ができた


目の前の男が、私に話しかけて、一瞬攻撃から気が逸れた瞬間

1秒未満、その隙を縫って影を撃ち抜いた


「……っ、おい！傑！」

後ろで見ていた、白髪の……そうだ、名前を忘れていた
五条さんが……ええと、夏油、さんに駆け寄る


でも、私の方が、早い


朝の日差しと、張り詰めた空気感を縫って、呪力で固めた銃弾は彼の胸を、確かに撃ち抜いた

彼が倒れ込むのを見下げた

……これで、私の勝ちだ
あとは、そう、五条悟に勝てばいい

いいや、勝てないのなら逃げればいいのだ
……逃げ足には自信がある

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