【呪術廻戦】地獄を、貴方と【夏油傑】

9話＿地獄を、 ページ11

※人によっては不快になる表現が含まれています

「相変わらず貧相な体だな」

お兄様に笑われながら、高専の制服を脱がされる
とはいえ一応下着も着込んでいたので、薄ら寒い程度だ

『……ごめんなさい』

「ごめんなさい、だ？いつもお前はそうだよな、謝ってりゃ済むと思ってんだろ！？あぁ！？」

お兄様は怒って私に毛虫を押し付けてきた
むき出しになった腹の上で蠢いていた毛虫が、ぐちゃ、と潰れる

……棘が刺さった、後で腫れるだろうな
でも、術式で治るのだし関係はないか

『っ、づぅ……ご、めん、な、さ』

「うるっせぇな！お前さ、自分が特級だからってバカにしてんだろ！？俺の事！なぁ！」

私に馬乗りになって、殴りかかってくる
……お兄様、今日は本当に気がたっているみたい

容赦なく顔を殴られる、鈍痛が襲ってくる
既に何度か眼球破裂も経験しているし、多分骨は毎日折れている

私の術式のせいで、傷は自動で回復してしまうので、次の日には元通りだが

まさに壊しても壊しても壊れることの無い玩具、という訳だ

お兄様はしばらく私を殴りつけると、「飽きた、失せろ」とだけ言って私の手首を呪力で縛るのをやめた

……結局、お父様に結束バンドで縛り直されたから、変わらないけど
くい込んで手首が切れることがない分、結束バンドの方が幾分かはマシだ


そのまま押し入れに蹴り入れられて、ついでに虫もぶち巻かれる
……今日は1晩、この虫達と同衾らしい

それにしたって虫はすごい量だ、蠱毒でも作ろうとしていたのかな

お腹が減った、押し入れの襖の外からは、夕飯のいい匂いが漂ってくる
今日はカレーかな、本当にいい匂い

私の分が準備されているはずなんてないけど



＿＿＿ふと、ここは地獄だと思う


こんなことは誰にも言えなくて、口にしたところで苦しいだけだけど
このまま眠るように死んでしまえたら、と、私は

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