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…で、と言うとコップに注いだ水を一口飲んで、また話し始める
JK「彼氏はヌナのお家に泊まりに来たことあるんですか?」
さっきから、度々こういう関係の話題を振ってくる
かわしてもかわしても、だ
「…いや、まだ、」
答えれば、へぇ?って満足そうに笑う
何がそんなに面白いんだ、と考えているうちにも彼は続ける
JK「手料理振舞ったりするんですか?」
「ああもう!いいんです!私の彼氏の話は!一般人の恋事情なんて誰も需要ないでしょう、はい、終わり!シャットアウト!」
需要あります、って少し不貞腐れる
…かわいい、そう思ってしまう私って一体
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しばらく、リビングで何か作業を進めていた彼が、そろそろ家に帰れそうです、って言いながら準備を始めた
「ほんとに、今回だけですからね。
次終電逃したり、テヒョンさんに鍵隠されても、もう次は無いと思ってください」
JK「えぇ〜居心地よかったのに、
…でもまぁ、俺も非常識でしたね、色々と。」
すみません、って独り言のように呟いて、玄関に立てかけてある鏡で身だしなみをチェック
JK「また、会いに行くので。よろしくお願いします」
深く被った帽子のせいで、
彼の表情は読めない
…わたしだけ、絶対顔赤いのに
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写真だけは、撮られないでくださいね、と注意を促すと、
余裕そうに笑う。
ありがとうございました、って軽く手を振って出ていくのを、扉が閉まるまで見ていた。
…昨日から、今まで起きた出来事は、夢なんじゃないか。夢だったりしないか、と思いたいけど
抓った手の甲はしっかり痛いし、何かが覚める気配もない。
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作者名:ましろ。 | 作成日時:2022年7月1日 19時