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相互優しい ページ38

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TH「数学科室?」







うん、って頷くと、当たり前のようにノートとプリントの束をまた半分以上持って歩き出したテヒョンくん





わたしは、その背中を追う形に




頼まれたのは私なのに、何も言わずに手伝ってくれるテヒョンくんは





…優しいな、単純にそう思った







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TH「へぇ、今年の1年生ってミュージカルやるんだ」









おもしろそ、ってニコニコ笑いながら、順調にプリントやらノートやらを纏めてしまっていく







ミュージカルどんなのやるのかなあ、わたしたちが1年の時は英語で劇をやったっけ









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TH「いっ、…やべ」








プリントをまとめようとしていたテヒョンくんの指に、ホチキスの針が刺さったみたい







「あ、まって。わたし絆創膏持ってる」









よく紙で手を切ったり、転んだりするわたしは、絆創膏を常に持ってる






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TH「…優しいんだね」





勢いよくテヒョンくんの指から血が流れるから、慌てて絆創膏を巻き付けて、とりあえず応急処置完了、って思ってたら



優しいんだね、って



目を細めてすごく嬉しそうに言う







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別に、優しくない



誰だって目の前で血をドバドバ出されたら慌てるし、処置しようって思うもん




…だから、そんな大したことをしてない








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作者名:ほにこ | 作成日時:2022年8月12日 19時

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