040 自分の気持ち ページ40
｢外出てから、ぜ〜〜んふ聞いとったで？｣
『ほ、星乃…』
星乃が、ゾムの背中の上から降りて私の目の前に立った。
少し優しい笑みを零しながら。
『待って!?なんでみんな先行くん!?』
｢俺らおじゃま虫やもんな。｣
とか少し寂しそうな顔をして呟くゾムと
｢言うたやん。Aが誰好きになっても応援するって。｣
と笑いながら優しく言ってくれるシッマ。
そんな二人を見て申し訳なく思う。
｢て事で、僕達は先行ってるから。｣
大先生、ショッピくんも優しく手を振ってきた。
今からは二人の時間となった。
｢俺お酒まだ回ってるから、座らへん…？｣
『あそこに座ろ…っか。』
素直になった方がいい。なにが自分の素直なのか。本当に星乃の事が好きなのか。
ゾムのカメラ越しに見た私は完全に顔が赤かった。
好きやから。なのかもしれないけど。
『痛っ…』
ぼーっとしてたら、私の前を歩いてる星乃にぶつかっていた。
｢んふふw お酒が回ってないのにぼけてたらあかんで。｣
『ごめん…ぶつかっちゃった…。』
｢そういうところずるいよなほんとに。｣
『ずるいってなに？』
｢ちょっと馬鹿なあたりが。｣
少し笑って、私のことを見てくる星乃。
馬鹿にしてんやろ。
と思ったけども、なぜだか胸の奥がズキズキしている。
『ば…馬鹿にしてるやん！それは、』
｢ん〜？いつものお得意のキレキレのツッコミはどこ行ったん？｣
なーんて少し煽ってきながらも、私の頭の上に手を置いてきて、その後にデコピンしてきた。
｢あいつらに騒がれとるけどさ。俺は、一之瀬の素直な気持ちが知りたい｣
『素直な気持ち…』
いきなり言われた言葉に動揺を隠せなかった。素直な気持ち。
なんだかんだで、いつも頼っていて。迷惑ばっかりかけてるけど少し煽りながらも、気をつけろよ。なんて優しく指摘してくれる。
星乃みたいな人になりたい。
なんて憧れだった人なのに。
知らないうちに好きになってたのかもしれない。
｢もー！何悩んどんの！？w｣
『頭の中で整理がついてないの』
｢急かしてるわけじゃないから、いつでも待ってるよ。｣
そう言ってる星乃こそ、面と向かって
【好き】
って言ってくれたことないよね。
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作者名：めあり。 | 作成日時：2019年1月10日 0時
