【d!】悪徳令嬢の執事になったのですが…

13.思うに、主人公と悪役の線引きって、難しくない？ ページ27

簡易食堂に入ると、普段は1人自室で食べているキョーカ様は珍しいのか、周りをキョロキョロと見回しておりました。

「お砂糖とミルクは如何なさいますか？」
ky「えっと…」
「怖がらなくても、取って食べたりしませんよ」

クスクスと、笑うと顔を赤くして俯いてしまいました。普通にしてる分には可愛らしい方なのですがね…
オススメでいいとの事だったので、控えめにしようと思い、キッチンへ行くと、ロボロから通信が入りました。

rb『おま、なんで、えぇ？！』
「やはり、見てたのですね。少しお話してみようかと思いまして…もし、大丈夫であれば、終わるまで、誰も近づけないで頂けると良いのですが…」
rb『えぇけど…ゾムがもういるんだよなぁ…』
「おや、まぁ…それは致し方ないでしょう。後で何か持っていきますね」
rb『マジで？よっしゃっ』

通信を切り、居るであろうゾムの分の紅茶も入れて持っていくと、案の定、ゾムがキョーカ様に絡まれておりました。

ky「あの…それで…」
zm「……」

なんというか、健気ですね…興味なさげに聞いていないゾムにめげずに話しかけるキョーカ様は。変にキャラ作らないでいた方が、モテるのではないでしょうか…

zm「あのさ…お前、う 「コラコラ。女性に対して、そのような対応の仕方を教えた事はありませんよ」 A！」

殺気がダダ漏れになってきたので、止めに入ると、ガバッと顔を上げ、嬉しそうにこちらにまとわりついてきました。貴方は犬ですか…？

zm「あんな、あんな」
「ゾムの話は後で聞きますから」
zm「えー…」
「叩き出されるのと、大人しくしてるのどちらがよろしいですか？」
zm「大人しゅうしとるわ」
「よろしい。ゾムが失礼しました」
ky「大丈夫、です…あの、Aさんとゾムさんって…」
「ゾムは昔、ソーラお嬢様に仕えていた事があったのですよ。その時に」
ky「そうなんだ！(あれ？Aなんてキャラいたっけ…？モブなのになんでこんなに主要キャラと仲がいいの！？)」

キョーカ様とゾムの前に紅茶とお茶請け(クッキーを置くと、お腹が空いていたのか、ゾムはまずクッキーに手を伸ばしました。

「本題に入らせて頂きますが、キョーカ様はなぜ、先ほど、ソーラお嬢様から逃げるような行動を…？」

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