【d!】悪徳令嬢の執事になったのですが…

13.思うに、主人公と悪役の線引きって、難しくない？ ページ25

おはようございます、皆様。あの後、それぞれ自室に戻り、就寝しました。朝起こしに行ったソーラお嬢様にトントンと何か無かったのかと問いただされましたが、残念ながら何も無いです。あるわけないじゃないですか、漫画じゃあるまいし…
さて、昨晩のことを朝食の場で話させて頂いたのですが、面白いことに皆様、呆れ顔と言うか、苦笑いでした。さてさて、今日から何が起こるのか楽しみですね。

sr「A、私、思ったんです…」
「どうしましたか？」
sr「キョーカさんがヒロインになりたいと言うなら、悪役が必要でなくて？」
「はぁ…」
sr「その悪役に私がなろうかと…」
「…つまり、色々とムカついているから、嵌めようって、魂胆ですか」
sr「えぇ」
「それには、幹部の皆様の協力がないと無理なのでは？」
sr「えぇ…だから、コレを賄賂に」

と、ソーラお嬢様が取りだしたのは、何時ぞやの女装写真と幼児化していた時の写真でした。

「ちょ、いつ…！と、いうか、そんなの賄賂になりませんよ」
sr「冗談(ではないわ)よ。むしろ、グルッペン様なら面白がって乗ってくれると思うわ」
「あー…否定できないのが辛い…」
ut「お？ソーラちゃんにAやん。廊下でなにやっとるん？」
sr「鬱様」
ut「え、なんや、やな予感するんやけど…」

書類から逃げてきたのであろう大先生が、廊下で話す俺たちに声をかけてきたのですが、ソーラお嬢様の笑顔に1歩引いているようです。そんなの気にせず、ソーラお嬢様は俺に話したようなことを話したのですが、聞いた大先生は大笑い。

ut「はぁー…笑ったわ。ええんやない？グルちゃんも俺らも協力するで。やけど、もし、ホンマにそれやるんやったら、あっこが動き出してからの方がええと思うわ」
sr「何故か聞いても？」
ut「ソーラちゃんらの前では俺らに媚び売ったりしてへんやろ？急に始めたらおかしいやん？それに、聖女ちゃんが何かやらかしてからのが、加減も分かると思うしな」
「加減って…流石に流血沙汰とかはないでしょう…」
ut「あーゆう子は分からんで？自分を傷つけても…って、タイプかも知れへんやん？」
sr「流石、泣かせた女は数しれず…」
ut「それは昔の話ですやん」
sr「え、今は違うのですか？」
ut「今は本気で落としたい子がおるからね。脇見なんてしとったら、他のやつに取られてまうわ」
sr「あー…なるほど…」

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