20 (あつむside) ページ22
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部活が終わり、結局A来んかったなー
なんてみんなで話していたら
どんどん!と部室を叩く音が聞こえて
何事かと扉を開けば
Aと仲のいいももちゃんが
血相を抱えそこに立っていた
「あ!あの!Aが!Aが階段から落とされて!!」
「は?」
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ぐす、とももちゃんの鼻をすする音が、静かな病院の廊下に響く
部室にまだ残っていたメンバーは2年の4人と北さん、アランくん、赤木さんだけだった
Aは出血が少し多かったものの
外傷以外特に別状はないそうだ
「ご、ごめんなさい、うちが、うちがちゃんと一緒におったらっ、」
「中西さんのせいやないやろ」
少し険しい顔をした北さんの言葉に、
でもっ!と返した
俺らの知らないことをこの子は知っているのだろう
「ももちゃん、Aの知ってること全部話してくれへんやろか」
「、、、はい。」
ももちゃんはしゃくりあげるのを落ち着かせながら
ゆっくりと全てを話してくれた
Aがいじめにあっていたこと
マネージャーをやめるように言われてきたこと
俺らに心配かけまいと黙っていたこと
そして、今回階段から突き落とした犯人が
俺の元カノだったこと
「昨日の頬の湿布も、叩かれたって言うてました。それでも絶対に言うなって、そんなん無視してちゃんと言えばよかったのに!うちは守ってあげられんかった!」
「今回のは絶対に、俺のせいやな…」
俺が、適当な事をしたせいで…っ
「Aは、侑さんが知ったら自分のせいやって思うやろうから、絶対言わん。って言うてました。それに、大会前に邪魔する方が辛いって言うてました…」
「あ、ほちゃうか、、何やねん、それ」
先ほど見たAの顔は出血によるせいか、少し青ざめていて
腕の包帯の隙間をねって点滴の針が刺さっていた
「Aが目ぇ覚ました!」
急いで部屋に入る
個室しか空いてな買ったらしく、そこに集まる俺たち
「A!」
「ここ、どこ?」
「病院や!」
「あぁ、そうか、うち、階段から落ちて、、」
まだ意識が少し不安定なんだろう
そして体が痛むのだろう
ゆっくりと体を起こした
「心配かけてすみません」
「A全部聞いたで」
「そうですか。」
みんな何と言えばいいのかわからないのだろう
沈黙が流れる
そのとき、言葉を発したのは
「何で言わんかった」
俺だった
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にゃんこ(プロフ) - きょんさん» ありがとうございます!本当に嬉しいです!頑張りますヽ(;▽;)ノ (2019年12月19日 18時) (レス) id: 065172e89f (このIDを非表示/違反報告)
きょん(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく拝見させて頂いております!にゃんこさんの書かれるお話がとっても好きです!稲荷崎の皆も主人公ちゃんの性格も大好きです!これからもにゃんこさんのペースでの更新頑張って下さい、応援しています! (2019年12月17日 16時) (レス) id: 194bc0d5fe (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - こころさん» 誤字が多くて本当に申し訳ないです( ; ; )そういってもらえて本当に嬉しいです、感激です(>_<)ありがとうございます! (2019年11月14日 8時) (レス) id: fb468674ee (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 27の無視が虫になってます!この話最高です!続き楽しみにしてます (2019年11月13日 15時) (レス) id: 398e0a716f (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - あゆさん» ご指摘ありがとうございます!大好きだと言って貰えるなんて…この上ない幸せです(;ω;)これからもよろしくお願いします!稲荷崎ばんざーい! (2019年11月8日 6時) (レス) id: 065172e89f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんこ | 作成日時:2019年10月20日 4時