マネージャーとあつむくん

16 ページ18

*




季節は夏に向かい始めた

先日行われたインターハイ予選兵庫県代表決定戦
稲荷崎は危なげもなく代表に決まり
７月末にはIH本番が待っている


初めての公式戦は
思ってた以上に応援がすごかった
体育館が揺れるほどで
全国クラスのすごさに身を呈して感じられた


女バレのももちゃんは、ベンチ入り
ユニフォームをもらえたが出番はなかったらしい
そして結果は準優勝
全国への切符を手に入れることはできなかったみたいだ



「春高は絶対にスタメンになって全国行く」



決意と覚悟、飛躍への期待
鳥肌がたったと同時に
どこか懐かしかった





________________________________________＿＿




最悪だ
朝早く起きてせっかく作ったのに




「ももちゃん、お弁当忘れた」

「おお、珍し、食堂行く？」

「ごめんね〜、お弁当あるのに」

「ええよ！行ってみたかったし！私もこれは部活前に食べて今は食堂で頼む〜」




いつもは教室でももちゃんや席の近い子たちと話しながら
お弁当を突くのだが
今日は私が忘れてしまったため
みんなに食堂行ってくるねと告げ
初めて食堂に来た

ももちゃんと２人で頼んだ定食を運び空いた席に座ると



「お！Aやん！こんなとこで会えるなんて運命やな〜」

「げ！侑くん！」

「げっ！ってなんやねん！先輩にそんな態度取るとは何ごとや！」

「あ、結さんや、こんにちは」

「無視かいな！」



異様に背のでかい侑くんと結さんはよく目立つ
そして隣の席に勝手に座り始めたじゃないか



「ここ使てもええかな？」

「は！はい！」



ももちゃんの隣には結さんが座った
結さんはちゃんと許可を取って座ってますよ！




「女バレの１年の子やろ？」

「あ、はい、中西ももです！」

「Aがいつもお世話になってまスゥ」

「父親か！」

「いえ、こちらこそです！」

「ももちゃん、ちゃうよ、うちはお世話してる側でry)」



横から伸びてきた手に
喋るのを遮られた



「誰が何てぇ〜？」

「なんれもないれす」

「よろしい」

「いたいぃ、、」



頬をさすさすとしていると
治くんとスナさんがやってきて
同じテーブルに座った
そして先ほどのようにももちゃんの自己紹介が始まった

ももちゃんはみんなにすぐ溶け込んで
楽しかったって言うてたからよかった
それに

「Aの部活の雰囲気楽しそうなんわかって安心やわ」

と言ってくれた




私たちを見て舌打ちをしている人物たちがいたのに気づくのは後少し





*

17→←おはこんにちばんわ！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す