[A３]碓氷真澄 真「監督が結婚した…死にたい…。」

第１話　「失恋」 ページ2

１０２号室




真「…」




コンコンコン





貴「失礼するよ。」



真「………」









貴「真澄君。黙っててごめん。」

真「……」

貴「とっても悲しいし、怒ってるよね、、、」

真「…別に俺はあんたに怒ってない。」

貴「へ？」

真「黙ってたのはあんたらだけど、黙らせたのは監督だ。」









貴「いつかバレるのは分かってた。でも、監督はきっと自分よりも芝居を好きになって
　 自分離れしてほしかったんだよ。」









真「監督は、、、俺の事、嫌いだった、、、？」

貴「違う。」

真「違わない。俺の事好きだったら俺以外と結婚なんてしない。」

貴「監督の好きと真澄君の好きは違ったんだよ」

真「それならもう振られたのと一緒じゃん！言われなくても分かってんだよ！！」

貴「…」



ガチャ









貴「東さん」

東「なーに？」

貴「真澄君をお願いできますか。彼、相当ショック受けてます。綴君も脚本で忙しいので
　 気を使わせるのも良くないと思います。」

東「りょーかい。彼、部屋に居るよね？連れてくから任せといて。」

貴「お願いします。」









監「Aちゃん。」

貴「はい。」

監「私は今日からここに来るのが不定期になる。もちろん千秋楽とかできる限りの公演には
　 行くけど、前みたいに稽古場に私が居る事は殆ど無くなる。」

貴「…。」

監「これから、あの子たちの事、よろしくね。」

貴「真澄君のことで少し…」

監「任せるよ。全部。」

貴「！？そんな無責任な。」

監「私の力じゃ、あの子を自立させられなかった。」

貴「…。がんばります。」

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