寒さと熱さ[S*M] (ページ22)

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「以上です。ありがとうございました。」

その声を聞くやいなや、
ふらふらとその場を立ち去る。

まっすぐ歩くのも、なんかきつくて、
壁に何度も手をつく。

「けほっ、ごほ!ズッ…。」

相変わらず鼻水も止まってくれないし…。

ガチャッ

楽屋の扉を開けると、
俺はみんなが見ていることなどかまわずソファに倒れ込んだ。

「けほけほっ、くし!」

くしゃみをしたとたん、
背中がゾクゾクして、体を丸める。

朝持ってきた厚手のパーカーを羽織っても、寒さは全然和らがない。

小刻みに体が震える。

腕に服があたって、その摩擦がひどく不快だ。

「けほっ、けほっ…。」

なんだよ…急に。こんな……。

「翔ちゃん、ちょっとごめんね。」

「…けほっ、はぁ、なに…。」

おでこに、冷たいなにかがあたった。

「え…。」

視線の先には、ニノの手があった。

「やっぱり。」

確信したように、松潤と目を合わせて頷きあう。

「翔ちゃん、少し熱いよ?」

あつ、い……?

「熱があるみたい。」

あ…。

さっき松潤が言った「あつい」の意味を、ようやく理解した。