寒さと熱さ[S*M] (ページ20)

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俺も、なんか言わなきゃ…。

ほかの4人が答えて、
俺だけなんも話してない。

少し焦りだしたとき。

「櫻井さん。今回のソロは、どんな感じですか?」

「あ、えと…。今回は、大人なふんい…けほっ。」

あ…

「けほ、こほ!…ん、んっ。」

あれ…、

「すいま、けほっ…。」

一度喉が乾燥して出た咳は、
それをきっかけに止まらなくなった。

「あ…ありが、と…。」

見かねた松潤が、置いてあった水を渡す。

「けほっ…ん……、すいませんでした。」

「いえ。大丈夫ですか?」

記者にも心配されて…。

なんか、すげー情けない。

・

「ありがとうございました。」

部屋をあとにして、廊下を歩く。

なんか、やけに廊下が長く感じて、立ち止まった。

「翔ちゃん?」

「あ。なんでもない…。」

再び歩き出そうとしたけれど、
俺の手を誰かがつかんだ。

「え…。」

「自分でも勘づいてるかもしれない、けど…。翔くん風邪引いてるだろ?」

「へ…。」

「俺が昨日移しちゃったのかもな…わるい。」

え、まって、
松潤は悪くないよ。

「でもっ、けほ、げほ!」

ちくっと喉が痛くなる。

「咳も出てんじゃん。」