寒さと熱さ[S*M] (ページ17)

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「収録中思ったんだけどさ…。」

「うん…。」

午前の収録が終わって楽屋に戻る。

その瞬間、一気に疲れが押し寄せてきたようで、そのままソファに沈み込んだ。

「翔くん、鼻声じゃない?」

「え…うそ。」

「うそじゃないよ、いつもと若干声違う。」

まじ…で…?

まって、本当に俺、風邪でも引いたのかよ……。

「ほんと。あんまりしゃべらないし…。」

「…おれ、そんな…だった?」

「ん。違和感は…感じた。」

そうか…。

実際、体はだるいし、鼻水もずるずるなんだけど…さ。

でも、まさか風邪なんて、ありえるか?

寝不足なだけなのか、それとも風邪のせいなのか……。

「っ……。」

考えてたら、収録中の頭痛が本格的になってきて、
俺はソファに横になった。

「…ちょっと、寝ていい?」

「うん。弁当きたら起こすから。」

「ごめ…。」

ブランケットにくるまると、
そのままぎゅっと体を丸めて目をとじた。

・

「翔くん、弁当きたよ。」

「…ぁ…ぅん。」

のそのそと体を起こす。

相変わらず体の怠さは残ったまま。

「翔ちゃんは何がいい?」

「…なんでもいい。残ったやつで…。」

なんか、
今はちょっと食事を体が受け付けない。