5話/卒業生 カンデソン。 ページ43
デソンはあたしの一歳下の従業員。
もちろん、あたしや、ジヨンベ、タプオッパと同様、この施設の卒業生だ。
デソンは年下だけど、施設に入居した順番で言ったら、あたしよりも先輩だ。
あたしが3歳で入居した時、デソンはすでに施設にいた。
後々聞いた話では、0歳児で入居したらしい。
デソンを産んだ当時、両親は共に高校生だった。
【高校生同士の恋愛】からの延長戦で、妊娠・出産という状況だったため・・・
本人たちは至って純愛故の結果であると主張したが、双方のご両親がそれを許さず・・・
結果・・・
出産後、すぐに施設へ入ることとなったデソン。
母親(当時高校3年生)は、デソンと暮らすために高校を退学する意思を固めていたものの
またも両親の反対に遭い、更に経済力の無さという現実的な問題により、
面会すら実の両親に制限され・・・
事情を知った施設側(先代園長)は、母親に『いつでも会いに来てくれていいよ』と
伝えたらしいけれど・・・結局、疎遠になってしまったらしい・・・。
あたしが3歳、デソンが2歳で出会ったあたしたち。
お母さんに捨てられたことは、入居時3歳だったあたしにも恐らくわかりやすい説明をしてくれたんだろうけれど、
そもそも韓国語のわからない自分にとっては、突然知らない大人たちに、
たらい回しにされ連れて来られた・・・て感覚でしかなくて・・・。
そんな中、あたしと目が合うとニコニコと人懐こい笑顔を振りまいていたのがデソンだった・・・。
ちなみに、デソンはタプオッパのお気に入りでもあったらしく、
後々思い返してみると・・・タプオッパがあたしを気に入って可愛がってくれたのは、
デソンがあたしの姿を見ると、ニコニコと、くっついて歩いてたからだったのかもしれない。
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作者名:正美 | 作成日時:2019年8月29日 21時