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「あたしは・・・、この子たちに付き添っただけだから・・・
お菓子は要らないよ・・・(笑)?」(マサミ)
そう言うと
「・・・あ、そ。
俺は買うよ?」(ヨンベ)
ジミンのプリンだけが入ってるカゴの中に、ア○スの実を入れたヨンベ。
「まぁ、これなら一緒に分けて食べられるし、1個でいいか(笑)」(ヨンベ)
ヨンベの言葉に・・・
瞬時に蘇る高校生時代・・・。
あたしとヨンベの間には他人にはわからない歴史がある・・・。
もちろん、唯一の年上であるタプオッパや、
同い年のジヨンや・・・
年下のデソンも・・・
同じ施設の入居者だった過去があるあたしたちには・・・
歴史があるんだ・・・。
あたしとヨンベの歴史を語るには欠かせないア○スの実・・・。
青春の味。
あれから十数年・・・。
何度も変わったパッケージ。
当時なかったフレーバーもあるけれど、不思議と今でも『ア○スの実』を食べると、
あの頃を思い出す・・・。
同級生と比べて所帯じみてることを悲観してたあの頃・・・。
怒られたら謝ればいいじゃん・・・て・・・
そう言ったヨンベとは対照的に、後ろめたさが勝(まさ)って
更に、そんなすべての感情に気付いて、あたしを気遣ってくれてるんだって思ったから・・・
それでヨンベが怒られるのなんて申し訳なくて・・・
せめてもの想いで、ひとつだけ選んだア○スの実・・・。
当時食べたあの味を、忘れることはないだろうな・・・て
・・・漠然と思った感情は、あながち間違いじゃなかった・・・。
「懐かしいな(笑)」(ヨンベ)
ア○スの実を分け合いながら、ヨンベが言って・・・
「・・・うん、懐かしいね(o^―^o)」(マサミ)
あたしが答える・・・。
あたしだけじゃなくて、ヨンベにとっても『忘れられない味』で『忘れられない思い出』であるという確信に
・・・心のずーーーっと奥の方がキュンキュンと疼いたのだった・・・。
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作者名:正美 | 作成日時:2019年8月29日 21時