the wounds will eventually Scab 【iKON】×【BTS】 (ページ27)

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４話/卒業生　ドンヨンベ。ページ27

あたしと同い年のヨンベ。

つまりジヨン＆ヨンベ＆あたしの三人は1988年生の同い年。

あたしが母に捨てられて入居した1か月後ヨンベが入居してきた。

この施設に来る子たちは皆、様々な家庭環境により親族と暮らせない子たちなわけだけど

ヨンベの入居理由は虐待。

偏(ひとえ)に虐待と言っても、その中にも色々なカテゴリがあることを知ったのは、

あたし自身がこの施設で働くようになってからだ。

ヨンベの場合は肉体的な虐待ではなく

所謂ネグレクトと言われるものだった。

出生届すら出てなくて戸籍もない子供。

保育園にも通わず、いつも一人でいるヨンベを不審に思ったご近所さんが通報したらしい。

その通報により児童相談所が来てネグレクトが発覚。

ちなみに現・園長のタプオッパが、施設に入居した理由は誰も知らない。

ジヨンは、借金を苦に一家心中した中でジヨン一人だけが助かって施設に入ったんだと

のちのち、本人から聞いた。

ヨンベが施設に来た時のことは、なんとなく覚えている。

ジヨンと二人でブランコに乗って遊んでいた時、当時の園長がヨンベを連れてきた。

『ジヨン、マサミ。

　新しい家族だぞ。ヨンベはお前たちと同い年だから。』(園長)

そう言った園長の後ろに隠れてたヨンベ。

この当時、韓国語はなんとなくしかわからなくて。

『ヨンベ(o^―^o)』(マサミ)

唯一聞き取れた彼の名前。

当時、あたしは言葉はわからなかったけど、ジヨンがニコニコしてるときは一緒にニコニコ。

ジヨンが悲しそうな顔をしてるときは、わけもわからず泣いていた。

ヨンベは、とても物静かな印象でニコニコしていて・・・

人の目をまっすぐに見つめることが出来る子供だった。

一緒に過ごしていくうち、あたしも、たどたどしくも韓国語を話せるようになり

それなりに施設での生活に順応してきて・・・

中学生となったジヨンベ(ジヨンとヨンベのことをあたしはそう呼んでいた)とあたし。

ヨンベがダンスにハマって、将来はダンサー目指すなんて言って頑張ってたんだけど・・・

数年後。高校三年生の夏。

何があったのか、突然ダンサーの夢は諦めたと言い出し、

高校卒業後は、ジヨン＆あたしと同様この施設の従業員となった・・・。