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3歳で入居したあたし。
韓国語なんて全然喋れなくて・・・
話の通じない周りの人間全てが宇宙人に思えた・・・。
あたしが入居したとき、すでにここにいたタプオッパは当時4歳。
言葉の通じないあたしのことを相手にもしなかった、当時すでに入居してた他のオッパやオンニたちに反して、
成立しない会話を繰り返しながらも、自分だけのおもちゃみたいに、いつも自分のそばに置いてくれてたタプオッパ・・・。
ほんの少しだけ日本語がわかる当時の園長を通訳にしながら、
少しずつ・・・本当に少しずつ、心を通わせて行ったあたしたち・・・。
大人になった今だったら、こうは行かなかっただろうなって思うけど・・・
3歳だったあたしの吸収力と順応力は計り知れないものがあって・・・
あたしのとっては宇宙語だった韓国語も、タプオッパの隣を定位置にしてから短期間で拾得して・・・
「スンヒョニヒョン」(マサミ)
他の入居者が呼ぶのと同じように呼ぶと、
「マサミは、女の子だから、オッパって呼んで?」
て・・・言われた・・・。
「マサミ。」(TOP)
「へ?」(マサミ)
思い出に浸ってたあたしの頭上でタプオッパの低くて太い声が響く。
「そろそろ、保育園組出発だから。」(TOP)
「あ、はいっ・・・///」(マサミ)
浸ってた思い出の中のタプオッパは4歳児だけど・・・
タプオッパは、小学生になってからどういうわけか、肥満児と呼ばれる体型になり、
元々、長身だからその存在感はとんでもないもので・・・
なのに、高校卒業目前に壮絶なダイエットをして・・・
・・・なんて言うんだろ・・・
痩せたタプオッパは、とあるおとぎ話の『蛙から王子様!』みたいな・・・
『醜いアヒルの子から美しい白鳥!!』みたいな・・・
そんな変貌を遂げて・・・
漠然とだけど・・・
あたしの初恋って、タプオッパだったのかなぁー・・・なんて・・・思ったりする今日この頃・・・。
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作者名:正美 | 作成日時:2019年8月29日 21時