となりの

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(hnr)

まーくんが、遅刻している。


最初こそ「あいつ寝坊したんだろ」とメンバーで笑っていたが、まーくんが大遅刻をかますなんてあまり頻繁にあることではないので、15分くらい過ぎた辺りからおや？とは思っていた。


それでも全く連絡が来ず、心配になってまりんくんが連絡を入れてくれた。

ややあって、返信が来た。


『今日は体調がちょっと悪いから休みます 急になっちゃってごめんね』


「ありゃ」

芝健が零した。

「昨日まで別に変な感じなかったのに」

まりんくんが続ける。確かに昨日はいつも通り僕らとギャンギャン騒いでいた。だから慢性的な疲れとかではない気がする。


それでも、心配なものは心配だった。

まりんくんの「お大事に」という返信にも既読がつかないらしいし、眠ってしまったのかもしれない。


「まさとの家行くか」


同じことを考えていたのか、カナタがそう提案した。

「じゃあ俺行ってくるよ」

「1人で平気か？」

「んー、どうだろ
　できるならもう1人くらいいてくれたらいいかも」

「ん、俺も行ってくるわ」


カナタはそういうと、「コンビニ寄ってこ」と僕に声をかけて席を立った。


ありがとー、よろしくー、と見送ってくれるメンバーに行ってくるねと告げ、僕もカナタの後を追った。



コンビニで経口補水液やら冷えピタやらゼリー飲料やら、なんとなく必要そうなものを買った。

まーくんからの連絡は特にないし、まりんくんの返信にも既読がつかないようで、どうしんどいのかもわからないのが少しもどかしい。


車に乗り込んで、急いでまーくんの家へ向かう。


車から降りて、チャイムを鳴らしてみると、ふらふらとしながらまーくんが顔を出した。

顔が赤く、パジャマのままメガネもかけず壁に手をついている。

想像以上にしんどそうで、ちょっと吃驚してしまった。


「まーくん、入っていい？ひとりだとつらいでしょ」

「うん、ありがと…」

「お前は寝てていいから。キッチン借りていい？」

「うん、ごめんありがと」

「いいのいいの、とりあえず布団戻ろう」

「ありがと…」


カナタに水やら食べ物やらの支度を任せ、ふらつくまーくんを支え部屋へ向かう。


「熱は測った？」

「いや…」

「はい測って」

「ん…ありがとう」

「しんどいの？頭痛い？」

「うん…」

「食欲は？」

「お腹は空いてる…」

「わかった、熱何度？」

「37.8…」

地味にしんどいやつだ。ちょっと待ってて、と残して僕はキッチンに向かった。

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