となりの

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(R)

翌日、俺たちは4人で通話を繋いで、シラハンの身に起こったことについて相談した。

ゆーまもカラスも、シラハンの話に驚いて、動揺しているようだった。

「…これからどうしよ」

シラハンがぽつりと呟いた。

『まあとりあえず警察に相談するしかないんちゃう？』

カラスが冷静に答える。

『シラハン、怖いだろうけど今日もう一回家に行ってみてもらってもいい？』

ゆーまの言葉に、シラハンの顔が明らかに翳った。

『もし今日も届いてるなら警察に行く上でも手掛かりになりそうな気するし』

確かに。

「シラハンが平気なら俺もそれがいい気がする」

『せやな』

俺とカラスが続けて賛成すると、シラハンもりょうと一緒になら、と了承してくれた。

ゆーまとカラスにお礼を言って通話を切る。

家に寄ったその足で交番に行ってみようと決めて、2人でシラハンの家へ向かった。

郵便受けには、丁重に封のされた封筒が入っていた。


封筒を持って交番を尋ねると、中年の厳つい巡査さんが話を聞いてくれた。

どうやら脅迫罪で被害届を出すことはできるらしい。

この手紙が2回目であること、そして封筒に本当にカッターの刃が入っていたことが決定打となったようで、無事に警察に届け出ることができて本当に安心した。

シラハンの顔にも少し安堵が見て取れて、やっぱり一回交番に来て正解だったと思った。


再びタクシーで家に帰ってから、ゆーまとカラスへ電話をかけた。

被害届を提出できた旨を伝えると、2人とも本当に安心したようで、良かったと言ってくれた。

『シラハンはまだりょうの家におるんやろ？』

カラスの問いかけに、目配せをして俺が答える。

「そー。捕まるまでは怖いしね」

『んー、まあそーするべきだろうな』

「本当に早く捕まってほしい…」

そろそろ精神的に参ってきてしまったのだろう、普段からストレスを抱え込みやすいシラハンがとうとう切実な声を出した。

シラハンの恐怖を想像すると、何も言えなくなってしまう。

『安心しぃや。日本の警察はすごいって言うしすぐ捕まえてくれるて。パトロールはお願いしたんやんな？』


「した」

『ほな大丈夫。もうちょっとの辛抱や』

カラスの芯のある声にハッとする。俺が元気をなくしてちゃダメだ。今1番辛いのはシラハンなんだから、俺がするべきはシラハンを守ることだ。

「きっと大丈夫だよ」

『そーだな。すぐ捕まるよ』

俺たちの言葉に、シラハンはくしゃっと顔を歪めてありがとう、と溢した。

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