それでも…あの子は私の子供だったんだ ページ5
「恨まれていることなどとうに分かりきっている……それでも…私はAの親なのだ!親が子を信じなくてなんとする!!」そう言ってオールマイトは勢いよく椅子から立ち上がると、膝を折り床に頭を擦り付けた。
「お願いだ。どうか…どうかあのこともう一度話をさせてくれ…この願いが、君たちを危険に晒すかもしれないということは分かっている…それでも…私はAを…自分の子供を信じたい…」
一方その頃…A達は廃墟で息を潜めていた。
死柄木が、イヤホンを耳に付けながら笑いをこらえている。
クックックと抑えきれない笑い声が気になり、Aは死柄木の背中に預けていた体を起こして声をかけた。
「何がそんなに面白いの?弔?」
死柄木がその問いに答える。
「ああ…Aお前の父親がお前を説得するとか信じてるとかほざいてるぜ」
ニヤニヤと笑いながら死柄木がAに言うと、Aは酷く不愉快そうに顔を歪めた。
「博士が作ったやつか…やだ、気持ち悪い。私を説得する?信じてる?私はあいつのことなんて信じてないし大嫌いていうか、盗み聞きなんて趣味が悪いね弔」
「失礼だな、情報収集だよ。会話が全部筒抜けだってことなんて、微塵も気がついてないんだろうなあいつらは」
また死柄木がニヤニヤと笑う。
「あいつの話聞くと気分悪くなるからトガちゃんの所行ってる」
そう言ってAが離れていくと、死柄木は呟いた。
「Aは俺の家族だ。親友だお前は家族を捨てたんだぜオールマイト今更返してなんかやる訳ないだろ」死柄木のその声は、誰にも届くことなく暗い部屋にこだました。
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作者名:つよつよな女の子がすこだ | 作成日時:2022年1月20日 0時