君のことは好きだけどヒーローは嫌い (ページ4)

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会議室でページ4

オールフォーワンとの激戦からしばらくして、オールマイトの体は段々と回復してきていた。
しかし、体と心が分離してしまったかのようにオールマイトの顔は暗く澱んでいた。

そんな矢先に、オールマイトに会議への召集がかかる。
議題は取り逃したヴィランについてだった。
会議室へと向かうオールマイトの足取りは重く、水の底にでも居るかのようだった。
会議室に着き、オールマイトは椅子に座った。
「オールマイト……」根津校長が、オールマイトに声をかけた。
「オールフォーワンとの戦闘の際、君を蹴り飛ばしたあの少女。君には見覚えがあるはずだ。」
根津校長の発言に、会議室がザワついた。
しばらくの沈黙の後、オールマイトが口を開く。
「……あの子は…Aは……私の…娘です。」
ガタリと音を立ててエンデヴァーが椅子から勢いよく立ち上がる。
「貴様！なぜ貴様の娘がヴィランになっている！恥さらしもいいところだ！」
エンデヴァーはかなり頭に来ているのか、いつもよりも炎の勢いが強くなっていた。根津校長がエンデヴァーを収めようとすると、おもむろにオールマイトが口を開いた。
「……私が悪いんだ…」その言葉に、会議室が静まり返る。
「私の妻は…オールフォーワンからの刺客だったんだ…Aがまだ小さい頃…彼女は爆破テロを起こした…私は…Aの目の前で彼女を…殺したんだ…それからしばらくして行方不明になり…諦めていたが…まさかオールフォーワンに攫われていたなんて……」
オールマイトは、ぐっ…と唇を噛み締めた。
皮膚が切れたのか、口の端から血が滲んでいる。
「Aは洗脳されているんだ！あんなことを平気でするような子では！」オールマイトは必死にAについて弁解しようとするが、エンデヴァーがイラつきながら口を開く。
「あんたは今の今まで諦めていたと言ったな。その犯罪者を連れ帰ってどうするつもりだ？カメラに映っていたあの場で見たあいつは、オールフォーワンに心酔しているようだった。たった1人の為に、大勢を危険に晒すのか？」
その言葉に、オールマイトは反論ができなかった。
妻を殺したあの日から、Aは、1度たりともオールマイトのことをパパと呼ばなかったからだ、向けられるのは憎悪の視線だった。