君のことは好きだけどヒーローは嫌い (ページ2)

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お前が嫌い(後) ページ2

Aはカウンターの下に付けておいた剣を取ると、カウンターから飛び出し一気にシンリンカムイへと剣を振り下ろす。
シンリンカムイの体を蹴り、Aは元の場所へと戻った。
そしてオールマイトを見ると、「さよなら」と嘲るように言い、どこかへと転送されて行った。

連合とAが転送された先は脳無工場。
Aにとっては2番目に生まれた場所だった。
Aは周りを見回し、ある人を見つけるとぱあっと目が輝いた。
「先生！」その人の名前を呼び駆け寄る。
その時チラリと横目に、あの人の姿が見える。
(あの人は好きでもヒーローはみんな嫌い)Aは頭の片隅でそんなことを考え、見なかった振りをした。

先生が、一方的にヒーロー達を蹂躙していく様を見ていた。
だけど、高揚も、絶望も無い。
(ああ…君がヒーローじゃなくて一般人なら今すぐ助けたのになぁ)そんなことを頭の片隅で考えながらあの場から転移しなければ良かったと後悔が芽生え始めた頃、先生にオールマイトが殴りかかる。
力と力の衝突によって衝撃が生まれる。
Aは、能動的に先生の肩の上に乗りオールマイトを蹴り飛ばした。
オールマイトが警戒し後ろに飛び退く。
Aがオールマイトを殺そうとして先生の肩から飛び降りると、先生がAに声をかけた。
「今回は僕に譲ってくれないかい？Aいい子だから」
Aがピタリと止まる、そのまま先生の方をじいっと見つめた。
しばらくの沈黙の後、Aが口を開いた。
「仕方ないなあ…次は私だからね先生」Aはそう言うと、オールマイトの方へと向き直る。
「バイバイ、パパ」満面の笑みでAはオールマイトに告げ、
黒霧のゲートの中へと消えていった。