143．あなたに会いに行く ページ10
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A「あの〜…。少しお伺いしたいことがあるんですけど…。」
「どなたかのご知り合いですか？」
A「あ、はい…。」
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懐かしい空気。懐かしい場所。私に、大切なものを与えてくれた思い出が詰まった場所。
A「……二宮先生は、いらっしゃいますか…。」
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．
そう。私は、二宮先生がいる場所にやってきた。
"
翔『Aちゃん外出〜？？』
A『ごめんなさい！すぐ戻ってくるので！…17時までには！！』
翔『え、それってAちゃんのクラスに俺が顔見せなきゃいけないやつじゃない？』
A『…あ、あの、行ってきます！！！』
翔『え！ちょっと！！』
"
．
櫻井先生ごめんなさい！！
でも仕方無いんです！！！！
というのは…。私の仕事が無い日。というのは職業上二宮先生も仕事が無い。
だから、平日にしか来れない………
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という結論に至った私は、いつもより気合いを入れてメイクをして、服もいつもより数倍可愛い服を着て学校を飛び出してきた。
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私に対応してくれていた先生は、明らか最近入りました！っていう新人教師で。
二宮先生。という名前を聞いて、少し頭を傾けながらも「少しお待ち下さい。」と職員室に戻っていく。
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ああ、どうしよう。先生になんて言われるだろう。
怒られるのかな、呆れられるのかな。
頭の中はマイナス思考なことばかり。
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暫くすると、その新人教師さんが再び職員室から出てきて。
私の心臓はドキドキして。今にも破裂しちゃうんじゃないかって思うくらいで。
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……って、
…………。あれ？
何だかさっきと顔付きが随分違うような……。
A「あの、どうかしました？」
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血の気がスゥーって引いた気がした
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「今聞いてきたんですけど。…二宮先生？という方は三年前、退職なされたようです。」
A「……。え？」
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……。いやいや、ちょっと待ってよ。
──･･･二宮先生が、退職……？
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作者名：向日葵
| 作成日時：2016年4月17日 13時
