152．そんな希望も、今年の夏で消え去った ページ19
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櫻井「Aちゃん、今日飯どう？」
A「ああ〜すみません櫻井さん。今日、先約があって。」
櫻井「そっか〜。じゃあ今度ね！」
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夏休みに入った。
夏休みになると、仕事の量は格段に減る。そんなまったりとした日々に、私はホッとしていた。
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"雅紀『今年はアイツと二人で行くの？』"
─･･･定時の時間。
携帯を見ると、雅紀から連絡が入ってた。
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"A『ううん。今年も一人。』"
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そう。今日は、私にとって、とても大事な日だった。
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A「……よし。特等席。」
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今日は、高校時代に住んでいたあの地域で一番大きい花火大会の日だった。
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私にとっての特等席。それは、屋上。
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あの時、先生と手を繋いでコソっと入った場所と同じ所から入る。
これは、私にとって毎年恒例の行事のようなものだった。
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──･･･いつか、先生もこの場所に来てくれるかもしれない。
心のどこかでそう思いながら、毎年来ていた。だけど、そんな思いも今年の夏で消えた。
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"
和也「…………っ」
A「………嫌い…。」
和也「………え」
A「……こんな先生、大っ嫌い！！！」
"
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………。
もう、先生には会えないだろうな。
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作者名：向日葵
| 作成日時：2016年4月17日 13時
