151．あなたに背を向けて ページ18
．
．
和也「……A、」
A「………はい」
和也「……俺、誰も守れなかったんだ。」
A「…………え？」
和也「Aのことも、繭のことも。……俺が傷つけた。」
．
──･･･なんで、なんでそんな事言うの
．
A「…そんなことない、私だって繭さんだって。先生に助けられましたっ、」
和也「………もう無理なんだよ。俺には、人を幸せにする資格なんてない」
A「どうして無理って決めつけるんですか、少し道を逸れることくらい、誰だってあります。だから、」
和也「綺麗事ばかりでは生きていけない世の中なんだよ。どうせ空回りするだけで俺なんか、」
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．
───･･･パチン！！
．
．
その場に、高い音が鳴り響いた。
．
．
和也「…………っ」
A「………嫌い…。」
和也「………え」
A「……こんな先生、大っ嫌い！！！」
．
．
ドアに手を掛けて、外に出る。
涙が頬に伝ったのが分かった。
走って階段を駆け下りながら、必死に涙を拭う
．
…………私馬鹿だ。
先生のマンションを飛び出して、がむしゃらに走ってたけど、小さな石につまずいて思いっきり転んだ。
A「……痛い…。」
ジリジリと痛む膝。だけど、今一番傷んでいたのは
私の心だった。
．
だって、だって……。
─･･･あんな先生を、見たいわけじゃなかったのに。
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．
A「……………っ」
今の私には。
先生を助ける資格なんて。これっぽっちも無い気がした。
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．
152．そんな希望も、今年の夏で消え去った→←150．先生は、本当は脆くて弱い
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作者名：向日葵
| 作成日時：2016年4月17日 13時
