148．決戦の時 ページ15
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─･･･翌日。私は先生の住所が書かれてある紙を片手に、家を飛び出した。
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昨日、二宮先生に会いに行こうと学校に向かった足取りとはまるで違って
その足取りはとても重たく感じた。
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"
繭「…今、和くんに手を差し伸べられるのは。Aちゃん。あなただけだと思う。」
"
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繭さんから話を聞いてから、脳裏にその言葉だけが強く焼き付けられていて。
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……自信は相変わらず無かった。
今度こそ、先生との関係が終わってしまうんじゃないかと。土足で先生の中に入り込もうとしている私は、先生をどうしたいのか。
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─･･･その答えさえも曖昧で。正直、事の重大さが私にはよく分からなかった。
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A「……ここ？」
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紙を見て、目の前にあるマンションの住所と照らし合わせる。
………うん。合ってる。
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三階建てのマンション。とても、綺麗とは言えない外見で、一階には飲食店が入っていた。
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ゆっくりと階段を上がる。
一段一段……。ゆっくりと。
重い足を必死に上げて、顔も俯かずに上を向いて。
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ふぅ、と息を吐いた。そして思いっきり息を吸い込む。
よし、と気合いを入れて
───･･･ピンポン
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右手の人差し指に全てを捧げた。
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作者名：向日葵
| 作成日時：2016年4月17日 13時
