146．空白の時間 ページ13
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そんな和くんをほっとけなくなって。私、和くんに言ったのよ。
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和也『ついてくんなよ』
繭『帰り道がこっちなの。仕方ないでしょ』
和也『………』
繭『ねえ。いつまで強がってるの』
和也『……は？』
繭『Aちゃんのこと。必要なんでしょ。忘れられないんでしょ。』
和也『……そんなんじゃねえよっ、』
繭『………バレバレだから。』
和也『……分かったようなこと言ってんじゃねえよ…っ』
繭『…………あ！！！和くん！！！』
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私の言葉にカッとなった和くんは。横断歩道から道路に飛び出した。
その時ね、居眠り運転をしてた大型トラックがすごいスピードで突っ込んできたの。
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和也『……ぃ…ってえ…。……おい、繭！！！！』
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体が勝手に動いた。
和くんを助けなきゃ。そう思った。
私は、すぐに救急車で搬送された。
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そこで、もう歩けない。って言われたの。
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だから、私は仕事を辞めるしかなかった。
私ね、家族がいないの。だから頼る人が誰もいなくて。
それを知ってた和くんは、病院代。リハビリ代。私に必要なお金は全て用意してくれた。
いいって言ったんだけど、和くんはただ「ごめん」としか言わないから。仕方なくそのお金を受け取った。
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暫くはね、仕事が終わったあと和くん、病院に顔見せてくれてたの。
だけど、ある時、パタリと無くなった。
ありったけのお金を用意して。私の前から消えたの。
気づいたときには、職も手放してた。
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作者名：向日葵
| 作成日時：2016年4月17日 13時
