06.きっと君は笑うだろう ページ6
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あの夜から、約十年が経った。
私は、未だあの日のことを和也に全て聞けずにいる。
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あの日、中華屋に行って何をしようとしたの？
どうして私の所に来たの？
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あれからも、私と和也は何かと一緒にいる。
なのにいつになっても聞けなかったのは、きっと和也が本当は弱くて臆病な人間だということをあの日知ったからだ。
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仕事が終わって、家に帰る途中。カバンの中に放り込んでいたスマホが音を鳴らした。それに何故か私が設定している着信音じゃない音。なにこれ？と思いながら出ると、それは只今私の家に約一ヶ月(ここ重要)居候中の和也からだった。
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「あのさ、勝手に人の着信音変えないでくれる？誰の携帯かと思ったわ」
和也『あ、それ正確に言うと俺専用の着信音だから』
「…ハイ？」
和也『特定の人の着信だけ音変えれる機能あるだろうが、そんなんも知らねえの？現代人？何のためにスマホ持ってんだよ』
「知ってるわ！あーもう、和也と電話してたら色々バカになる。何の電話？あ、ついに家に帰る気になった？」
和也『いや、今日の晩飯何にすっかなって』
「そっちかい！」
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早く帰ってよ〜と言いながらも、何だかんだ話してると家について丁度向かい側から和也も帰ってきてて、「あ」と二人で目を合わせたら電話を切って「おかえり」と声を合わせた。
家に入って、和也が少し買ってきてくれた食材と家にある食材を見て今日はカレーかな〜とキッチンに立つ。
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後ろで胡座をかきながらテレビを観ている和也を一瞬見て、今日の仕事中不意に思い出した和也との記憶のことを思った。
切って、炒めて、煮込んで、完成したカレーをテーブルに持っていくと和也が「見た目はまあまあだな」と言いながらも「うま」と食べだす。
その姿を見ながら私も隣でカレーを食べていると、和也が「そういえばさ」と口にした。
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「ん？」
和也「今年は行こうと思っててさ」
「何の話？」
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和也「母さんの墓」
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和也が食べながら口にした言葉に、私の動きは止まった。
おまけに、スプーンにせっかく乗せた大きめに切ったじゃがいもが落ちた。
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07.おんぼろ時計とデジタル時計→←05.目の前の君は美しい涙を流していたね
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向日葵(プロフ) - あやにゃさん» あやにゃさんコメントありがとうございます(*´ 艸｀)決して楽しいお話ではないかと思いますが、このお話を読んで何かを感じて下さったなら私は嬉しいです(*´ 艸｀) (2017年3月24日 0時) (
レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - kiyomiさん» kiyomiさんコメントありがとうございます(*´ 艸｀)有難いお言葉…( ；__； )嬉しいです( ；__； ) (2017年3月24日 0時) (レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 和 華さん» 和華さん〜！ありがとうございます(*´ 艸｀)またこちらでも、あちらでも宜しくお願いします♪ (2017年3月24日 0時) (レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - しょうまい。さん» しょうまいさんこちらでも感想ありがとうございます♪独特の世界観だったと思いますが、私自身とても好きな作品になりました(*´ 艸｀) (2017年3月24日 0時) (レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - Hallさん» Hallさんコメントありがとうございます(*´ 艸｀)二宮くんのその想いが届いていたなら私は満足です♪評価ボタン押してくださりありがとうございました！ (2017年3月24日 0時) (レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵
| 作成日時：2017年3月17日 17時
