03.痛いと叫んだ ページ3
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車停めてるから乗れば、と言った和也にもまた驚いた。え？免許なんていつ取った？なに？どういうこと？
開いた口が塞がらないとはこういうことだ。私は隣に居たニコニコのマミちゃんに「行ってきなよ！」と言われて歩き出した和也の背中を追うと
和也が既に車に乗りこんでシートベルトを付けていたので私も慌てて助手席に乗ってシートベルトをつけた。
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すると和也は隣に乗った私をじっと見て、「車出すよ？」と言った。
こくん、と頷くと車が動き出す。免許取り立てだからと口にした和也の運転はとてもじゃないけど免許取り立ての人には見えなくて、言っちゃえばうちのお父さんの運転よりなんだかホッとした。
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和也『何食いたい？』
『…え、私は何でもいいけど』
和也『なら俺中華食いたい』
『…お好きに、どうぞ？』
和也『おけ』
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和也はそう言うとまた車を走らせる。道的に和也のお母さんによく連れて行ってもらってた中華屋に行くんだと分かった。安いのに味は格別の、昔から変わらない味を提供する中華屋。
車の中を見渡すと車の中には何も私物のようなものは無くて、「これってレンタカー？」と聞いたら「俺に車なんて買う金あると思う？」と和也が笑う。
そっか、と話が終わると和也が着いた。と車を停めた。
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車を降りて店の中に入るといらっしゃい、とこのお店を経営してる夫婦の奥さんが私達二人を迎える。
こんにちは、と挨拶しているといつも厨房にいる旦那さんが居ないことに気が付いた。
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席に座って、水をごくんと飲む。
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『ね、今日ご主人居ないね』
和也『あー、だな』
『今日奥さん一人でやってるんだ大変そう、何かあったのかな』
和也『さあ？』
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注文、接客、調理、会計を一人でこなす奥さんはいつも以上に大変そうで、私は見てられなくなって「なんか手伝えるか聞いてくる」と立ち上がった。
その瞬間だった。
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『…和也？』
和也『行くな』
『ちょ、手離してよ痛い』
和也『行くなって！』
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立ち上がった瞬間掴まれた右腕。離して、と抵抗すれば和也は見た事の無い表情で初めて私に怒鳴った。
え、と店が静まり返る中、和也はそのまま「帰るぞ」と私の手を掴んだまま店を出た。
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向日葵(プロフ) - あやにゃさん» あやにゃさんコメントありがとうございます(*´ 艸｀)決して楽しいお話ではないかと思いますが、このお話を読んで何かを感じて下さったなら私は嬉しいです(*´ 艸｀) (2017年3月24日 0時) (
レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - kiyomiさん» kiyomiさんコメントありがとうございます(*´ 艸｀)有難いお言葉…( ；__； )嬉しいです( ；__； ) (2017年3月24日 0時) (レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 和 華さん» 和華さん〜！ありがとうございます(*´ 艸｀)またこちらでも、あちらでも宜しくお願いします♪ (2017年3月24日 0時) (レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - しょうまい。さん» しょうまいさんこちらでも感想ありがとうございます♪独特の世界観だったと思いますが、私自身とても好きな作品になりました(*´ 艸｀) (2017年3月24日 0時) (レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - Hallさん» Hallさんコメントありがとうございます(*´ 艸｀)二宮くんのその想いが届いていたなら私は満足です♪評価ボタン押してくださりありがとうございました！ (2017年3月24日 0時) (レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵
| 作成日時：2017年3月17日 17時
