02.変な人。二宮和也。 ページ3
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二宮和也。確か歳は25歳。数学担当。
端正な顔立ち。色が白くて、茶色いビー球みたいな瞳が印象的。肌なんてきめ細かすぎて毛穴って存在してるの？レベル。
性格は優しい、けど少し意地悪でお茶目な一面もある。…こんなの女子ウケがいいに決まってる。
先生に「お前ら課題やってこなかったらもっと増やすからなー」なんて言われながら頭をコツンと触られたとなれば、二宮先生を好きにならない女子なんていない。
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捻くれ者ではないけれど、多数決を取ると少ない方を平然と選んでしまうような性格だったりもする。だけど、人には絶対に嫌われない。
これが、今まで私が周りの子達から聞いてきた二宮先生の印象。
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そんな二宮先生は、今年私のクラスの担任になった。
各クラスの担任発表が全校朝礼で行われているとき「3-D、二宮和也。」と聞いた瞬間の女子達はそれはもうめちゃくちゃ喜んでいた。
そんな中私は隣で喜ぶ親友の芽郁をよそに「やっぱり人気だなぁ…」くらいにしか思っていなかった気がする。
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「…で」
和也「ん？」
「私をわざわざここに呼んだのは、それを言いたかったってことですか？」
和也「そういうわけでもないっちゃあ無いけど、ま、そういうことでいいよ」
「…はぁ」
和也「口止めするつもりもないし別に何を求めてるってわけでもないけど、…一つだけ言えるのは」
「？」
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私の目を見ずに、携帯を触りながら話していた二宮先生は、急に立ち上がって私の隣に腰掛ける。
肩とかぶつかったりして、戸惑う隙もなく、二宮先生は私の目を見て少し口角を上げて微笑んだ。
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その瞬間。
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「…いっ、たぁ！！」
和也「ぶっ、！(笑)お前隙ありすぎなんだよ！」
「はぁ？！」
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おでこに結構な勢いでデコピンされて、痛がっていたら目の前ではお腹を抱えて笑ってる二宮先生。
はー笑った、なんて言って笑いが少し収まったあと二宮先生はまた、私の目を真っ直ぐ見た。
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和也「他の奴らはそんなことないのに楠だけ俺に全然心開かないからさ、俺嫌われてるかなって、ちょっと気にしてたんだよ」
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和也「一年間、宜しくな、楠」
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この時の二宮先生は、とても楽しそうに笑ってた。
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作者名：向日葵
| 作成日時：2019年11月3日 23時
