80.積極的な君も好き ページ31
いつだって、俺ばっかり好き過ぎて、おねだりばっかりしてるのに、今日の矢花はいつもと違う。
そういえば、この前、嶺亜が言ってたなぁ、なんて思い出す。
「矢花もヤキモチなんて妬くんだね」
そのときは、俺の方が好きなんだから、矢花がヤキモチなんて妬くわけないじゃんって思ってたけど、今日の矢花をみてたら、嶺亜の言うとおりかもって思ってしまう。
いつもに似ずびっくりするくらい積極的で、さすがにちょっと苦しくなってきたから、とんとんってしてるのに離してくれない。
こんなとき、どうしたらいいんだろうって思ってたら、ふいに唇が寂しくなる。
「…」
お互い無言で見つめ合うわずかな時間。
なんだか気恥ずかしくなってきて俯くと、掬い上げるように唇をふさがれる。
ホント、どうしたんだろ?
俺、なんかしたっけ?
?ばっかり頭に浮かぶ。
そのうち、なんだかもうどうでもいいやって、気持ちになってきて、俺は矢花の首に腕をまわした。
俺が矢花を好きな気持ちに変わりはないし、矢花も俺のこと、好きなんだと思うから。
今はもう、余計なことは考えたくない。
────────────────────────
矢「こんぴー、俺のこと、好き?」
今「うん、好きだよ」
矢「じゃあ、琳寧くんのことは?」
今「うん、好きだよ」
矢「…」
今「矢花?」
矢「…俺と琳寧くん、どっちが好き?」
今「?」
矢「…」
今「…矢花。耳、貸して」
矢「!?」
今「…こんなこと言うの、矢花にだけだよ」
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作者名:すもも | 作成日時:2020年4月24日 20時