70.とばっちり克樹は今日も泣く ページ21
なんでこんなことになったのか、いくら考えてもわからない。
俺と嶺亜には、俺たち以外には理解されない暗黙のルールってのがあって、俺が嶺亜にすることも、嶺亜が俺にすることも、すべてお互いの了解があって成り立っている。
だから、俺が嶺亜を隠し撮りすることは、もちろん嶺亜は了解している。
それなのに、
「俺を隠し撮りするの禁止」
だなんて、あり得ない。
いったい嶺亜になにがあったの？
まさか俺以外の誰かに心変わりした？
いやいや、俺の嶺亜に限ってそんなことあり得ない。
じゃあ、なに？
俺のこと、キライになった？
いやいや、それも俺の嶺亜に限って考えられない。
俺と嶺亜は一心同体。表裏一体。
お互い離れられない関係なんだから。
それなのに、理解不能なことが起こっている。
この緊急事態に俺はなにをすべきなのか。
勉強だったら、答えを導きだす自信があるのに、恋愛に正解はないから、答えがわからない。
ただわかるのは、今度の嶺亜はいつものイジワルで言ってるんじゃないってこと。
ねぇ、嶺亜。俺、嶺亜になにしたの？ 言ってくれなきゃわかんないよ。
嶺亜に嫌われたら、俺、生きていけない。
────────────────────────
大「最近、アイツ、変じゃね？」
矢「アイツって、ダカさん？」
大「うん」
矢「…もしかして、俺のせいかも」
大「俺のせいって？」
矢「ごめん！ ちょっといってくる」
大「え？ ちょっ、矢花？」
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作者名：すもも | 作成日時：2020年4月24日 20時
