64.無邪気な天使は悪魔の羽を隠し持つ ページ15
いつだったか、こんぴーが何気なく言った言葉が、ずっと俺の脳を支配している。
こんぴーにとっては、たいして重要なことじゃなく、そのとき思ったままのことを口にしただけなんだろうけど、俺にとってはすっごくすっごく重要な一言。
その言葉を念頭において、改めてこれまでのことを思い返すと、なるほど的を得ていると納得してしまう。
そもそもこのグループができたのも、二人あってこそのことだし、今となってはどちらかが欠けても、このグループは成り立たない。俺を含め他のメンバーがどんなにがんばっても、例えば仮にメンバーが増えたとしても、どちらかの穴を埋めることは絶対にできない。
それは俺がどれだけ嶺亜のことが好きでも、嶺亜がどれだけ俺のことを好きでいてくれても、割り込めないものが二人にはあるということ。
だから、もし、こんぴーの言ったことが正しかったら、俺はどうしたらいいんだろう。
恋のライバルだからって、キライになんかなれないし、今までずっと一緒にいたから、大好きな嶺亜を奪われたくなくっても、争うことなんてできないし。
こんなにも苦しいのに、答えを知るのがすごく恐い。
「琳寧って、嶺亜のこと、好きだよね」
そんなことあるわけないって、信じたい。
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琳「嶺亜さん、克樹とケンカしたぁ?」
嶺「ん〜、なんで〜?」
琳「ん〜、なんか克樹の視線がいたい」
嶺「あぁ。でも、俺じゃない」
琳「え〜、じゃあ、琳寧?」
嶺「なんかした?」
琳「ん〜、おぼえない…」
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作者名:すもも | 作成日時:2020年4月24日 20時