51.琳寧の好きな人 ページ2
琳寧って、不思議。
いつでも俺に、そのとき俺がほしい言葉を、さらっと言ってくれる。
今だって、不安に押しつぶされそうになってた俺の背中をポンポンしながら言ってくれるから、さっきまでの不安はどっかにふっ飛んで、いつもの自信がにょきにょきって顔を出してくる。
嶺亜の一番は、俺。
こんなわかりきったことでも、ちょっと嶺亜が大光をハグしていたくらいで揺らいでしまう俺にとって、琳寧はすごく大事な存在なんだなって、改めて実感。そしてふと思うのは、もし俺の一番が嶺亜じゃなかったらってこと。
一度も俺に好きって言ってくれない嶺亜ときっと毎日好きって言ってくれるだろう琳寧。
比べるまでもなく、俺を幸せにしてくれるのは、琳寧。だけど、俺が好きなのは、嶺亜。
バカみたいな考えに笑いそうになったけど、そういえば琳寧って誰が好きなんだろ？って、今まで考えたこともなかった考えが頭を過る。
バナさんが好きなのはこんぴで、こんぴが好きなのはバナさん。そんなこんぴを好きなのが大光。俺が好きなのはもちろん嶺亜で、嶺亜が好きなのももちろん俺、のはず。
じゃあ、琳寧は？
疑問がどんどん溢れ出す。
「琳寧って、誰が好きなの？」
「…」
もし、俺って言われたら、どうしよう。俺、ちゃんと断れるかな？
ほんのわずか見つめ合う。いつもニコニコしてる琳寧の真剣なまなざしから目が離せない。
「琳寧はみんなが好きだよ」
ほっとしてる俺がいた。
────────────────────────
克「琳寧の好きな人がみんなでよかったぁ」
琳「なんで？」
克「俺って言われたらどうしようって思ってたから」
琳「…」
克「だってさ、俺の一番は嶺亜だもん」
琳「でも琳寧、克樹のこと好きだよ」
克「知ってるよ〜。だって、俺もみんなの中の一人だもん」
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作者名：すもも | 作成日時：2020年4月24日 20時
