ただ、救いたいだけなのだ[Undartale]

あり得ない世界。 ページ3

「あなた達は今日から私達の家族よ」
　「遠慮しないでいいからね」

　そう優しく微笑む地底世界の王と女王を見て、僕はただ硬直することしかできなかった。

　あり得ない事ばかりだ。Charaがいる事。アズリエルがいる事。トリエルとアズゴアが夫婦である事。だって僕が堕ちた時にはCharaもアズリエルも故人で、トリエルとアズゴアは別れていたのに。

　だが僕は薄々理解している。多分、僕は過去の地底世界へ来てしまったのだろう。Charaとアズリエルが生きていて、トリエルとアズゴアがラブラブだった頃の世界に。

　タイムトラベル、とでも言うのか。それとも死んだ瞬間に神様が僕の最期のお願いを叶えてくれたのかな。

　ちらっと、横で「とても嬉しい、ありがとうママ、パパ」なんて微笑んでいるCharaを見て、僕はそう思った。

　Charaの笑顔はとても愛らしくて、でも愛想笑いっぽい。多分まだトリエルとアズゴアを信じ切れていないのだろう。僕は二人の人柄を未来で知ってるから二人を信用できるけれど、Charaはまだ何も知らない、ただの少女なんだ。


　まだCharaは何も知らない。自分が地底世界を解放するために死ぬ事なんて。その死すら結局無駄になることなんて。なら、きっと今なら彼女を救える。

　あり得ない筈の世界線で、僕はCharaを救ってみせる。

自己紹介と、決意。→←いない筈の二人。

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