ただ、救いたいだけなのだ[Undartale]

家族。 ページ12

まず作ったのは雪だるま。小さな玉をころころ転がしていると、やがてだんだん大きくなってくる。

　「アズリエル！ちゃんと押して！」
　「うん、分かっ……うわぁ！？」

　雪玉を転がしていたアズリエルがすてーんと転ぶ。幸い雪の上だったから、大したダメージは無さそうだ。アズリエルは起き上がり、鼻を赤くしながら頭を振って雪を払った。

　「アズ、鼻水が垂れてる」

　Charaがハンカチでアズリエルの鼻を拭う。……ん、アズ？

　「Chara……、僕のこと、アズって」
　「……家族を愛称で呼ぶのはおかしいか？」

　Charaの少し恥ずかしそうな笑顔を見て、アズリエル___アズは嬉しそうに目を輝かせ、ムギュッと彼女に抱きついた。

　「Chara！大好きッ！」
　「うわッ……！？」

　あまりに勢いよく抱きつくものだから、Charaが後ろに倒れ、彼女に体重を乗せていたアズもそのまま倒れてしまう。二人はしばし呆然としていたが、そのうち二人で笑い始めた。

　「むぅ……、僕も！」

　なんだか仲間外れにされている気分になって、僕も雪にダイブし、Charaをぎゅっと抱きしめる。Charaはちょっと驚いた顔をしたものの、嬉しそうに笑ってくれた。

　そのまま僕らは、パパとママに似せた雪だるまを作ってくっつけたり、雪合戦で本気になったり、かまくらでおしゃべりして遊んだ。


　とても、とても幸せな時間だった。

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