日常への回帰。 ページ16
「Frisk、もう大丈夫なのか?」
翌朝、部屋を出ると、昨日は一緒には寝ていなかったCharaからそう声を掛けられた。
どうやら心配してくれていたらしい。最初はこちらを警戒していた彼女がこうも柔らかくなったのだと思うと、とても嬉しくなる。
「うん、もう大丈夫だよ。心配掛けてゴメン」
「……大丈夫ならいい。早くリビングに行くぞ」
そう言って、Charaは足早にリビングへと向かう。やっぱりまだちょっと素直になれてないその様子がとてもとても可愛い。僕は頬が緩むのを感じながら、ゆるりとリビングへ向かった。
「Frisk、今日は元気そうね。安心したわ」
「流石にショックだっただろうが、大丈夫そうでよかった」
リビングでママとパパに会うと、こんな事を言われた。
ショックってなんだろう、と考える。すぐに分かった。どうやら両親は、僕が人間がスケルトンとして蘇った事に対してショックを受けていると思ったらしい。実際は違うけれど、そういうことにしておいた方が何かと都合がいいので、僕は否定せず「うん、もう大丈夫だよ」と笑っておいた。
「Frisk!」
呼び声に振り返ると、アズリエルがゴールデンフラワーの花束を抱えていた。何だろうと思っていると、僕にその花束を突き出して来る。
「これね、朝にCharaと摘んで来たんだ!貰ってくれる?」
キラキラとしたアズリエルの笑顔が眩しい。僕は勿論受け取った。ありがとう、とお礼を言うと、笑顔がさらに輝く。
そのまま僕達は朝食を食べた。そのあと、ママに勉強を見て貰って、終わったらみんなと遊ぶ。今日はスノーディンで雪像を作った。ママが作ってくれたお弁当を食べてまた遊ぶ。くたくたになって帰って、夕食を食べて、家族でお喋りしてから眠る。1日ぶりの愛しい日常。
ベッドの中、僕はママの笑顔を、パパの声を、アズリエルの優しさを、Charaの態度を思い返す。
そして同時に決意する。ああやっぱり、この幸福を崩す訳にいかない。Charaもアズリエルも死なせない。勿論、ママとパパも。サンズもパピルスもアンダインもガスター博士も。僕がみんなを、未来の幸せを、守る。未来を書き変えてやる。
それこそが、僕が罪を償う為の唯一の方法なのだから。
そして、二年の月日が流れた。
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三日月リン(プロフ) - すごい面白いですね!これはこの先人気になるかも…!? (2018年11月2日 16時) (レス) id: ac270a254f (このIDを非表示/違反報告)
ナイフとパイ - 燃え尽きふぉっくすさん» ミント『*わぁお、楽しそうだね!』 (2018年10月31日 21時) (レス) id: 865678efc6 (このIDを非表示/違反報告)
燃え尽きふぉっくす - ナイフとパイさん» 感想ありがとう御座います!危なかったですね……、フリスク本当にグッジョブです。これからも未来で知った悲劇を食い止め行く予定です。これからも宜しくお願いします! (2018年10月30日 17時) (レス) id: 1eff72f845 (このIDを非表示/違反報告)
ナイフとパイ - 燃え尽きふぉっくすさん» ミント『*あ、危ねぇ…;;グッジョブフリスク』 (2018年10月30日 16時) (レス) id: 865678efc6 (このIDを非表示/違反報告)
燃え尽きふぉっくす - ふたばさん» 感想ありがとう御座います! 探してもこういうのがなかったので自分で作ってしまいました……((((( キャラちゃんに兎に角幸せになって欲しいのです。これからも宜しくお願いします! (2018年10月29日 20時) (レス) id: 1eff72f845 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2018年10月28日 23時