【ドラゴンボール】化け物がいるのはお前らの世界だけだ。 (ページ3)

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【《知らない時代と唐突》1ー1】宴会と宇宙船ページ3

私はやっと見つけたみんなの知らない姿をただ見つめることしかできなかった。

何だろう。
この感覚。

この距離で近くに人が居れば声くらいかけられてもおかしくない筈なのに、今の私はここにいる誰にも見知って貰えていない為、クリリンさんの独特な歌い方を呆然と見ているいわゆるモブという、ただの通行人だ。

「おい。何ぼさっとしてる」
「神…様？」

頭の中からか声がする。テレパシーと言うやつなのだろうか。

「この世界は…皆私のことを知らない」
「当たり前だ。ここはドラゴンボールの世界でも本編じゃない映画、つまりパラレルワールドみたいなとこなんだからな」
「パラレルワールド…」

神は私に説明すると、私は昔ピッコロさんの子供時代に行ったことを思い出した。

ドラゴンボールには母親程詳しくない為あまり理解できなかったが、ここは私と出会う7.8年ほど前の時代で本編ではなく映画の世界らしい。

「そうだ、まあ頑張れ」
「え。ちょ」

何を頑張るの。
簡単に説明されるとすぐに声はなくなる。
いつもの悪い癖だぞ神。

「?」

クリリンさんの歌が少し止まると、巨大な宇宙船と共に同じ格好をした人達がマントおじさんの後について気づかなかったがベジータさんの前に出る。
いや、桜で花見の景色に似合わないなこの光景。

それでも歌い続けるクリリンさん凄い。

「何、新惑星ベジータ？」

私は少し離れて様子を見るが、何やらマントおじさんはベジータさんに惑星に来ないか勧誘しているらしい。
あってるかわかんないけど。

「おー！若い娘じゃー」
「!?」

背後に亀仙人のおじいさんが私の前の近くにいた。
それにくっついているウーロンの姿もある。

「娘～、うっぷ」

亀仙人の顔は赤くお酒臭い。
どうやら酷く酔っ払っている。

「こっちに来て飲まんか～？」
「いえ、結構です」

悪いがそれどころでは無い。この人が私に近づいて来てセクハラ以外だった覚えはないし。

私はちょっかいを出してくる亀仙人を無視して、ベジータさんの様子を見るがどうやらマントおじさんの誘いを受けるらしい。

「待て～わしも乗せろー!!」
「え、ちょ危ないですって」

亀仙人はベジータさんが入っていた宇宙船に乗ろうとするものだから止める。
流石に酔っ払っているお年寄りをそのまま放置することはできない。けれどこの爺さん、力めっちゃ強い。

「おい爺さん止まれよ～」
「武天老師様」
「止まってー!!」

私は止めるどころか引っ張られるのであった。

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