entry#5 (K.I) ページ33
あの日俺がいた悲しみの世界から
救い出してくれたのは君だったから。
だから俺も
Aを幸せにしたいって思ってるんだよ。
あの日家に帰ると、
なぜか電気はついたままで。
見覚えのない靴が綺麗に揃えて置いてあって、
テンポよく刻まれる音と美味しそうな匂いが
するはずのない自分のうちのキッチンから漂ってきた。
左ひざ内側側副靱帯部分断裂
聞いただけで膝が痛くなるような診断に
思考が完全に停止した。
W杯まで、あと何日？
俺はなんのために頑張ってきた？
どうしたら良い？
俺はこれからどうなる？
弱気になった瞬間に大きな不安が襲ってきた。
「ありがとうございます。
家、帰ります。」
大丈夫？
家まで送ってくれたスタッフの声を無視して
手を振った。
大丈夫なわけがないって。
こんな時もヘラヘラと笑っている自分が嫌いだ。
うまく働かない頭を必死に動かして、
靴を脱いで部屋に上がる。
慣れない松葉杖をなんとか操って、
リビングにつながるドアに手をかける。
「滉くん、おかえりなさい。」
その言葉を聞いて、涙が溢れて止まらなくなった。
くやしい？
かなしい？
つらい？
もどかしい？
いろんな感情を辿ってみると、
俺の中にあったのは”寂しい”だったんだと気付く。
こうして温かい言葉をかけてくれる誰かが
俺に微笑みかけてくれる誰かが
必要だったんだと思う。
「泣き虫滉くん。
不審者みて涙してる。」
携帯の画面を見せられると、
テレビ電話は律に繋がってて、
心配そうな表情から、いつもの笑顔に変わる。
「滉くん、ごめん。
合鍵、Aに渡したん俺。
今日ぐらいは美味い飯食って。
貸しな。」
さんきゅ。
絞り出した声は聞こえていただろうか。
「滉くんが元気になるまで
ここにいるから。頑張って元気だそうね。」
涙を拭ってくれた小さくて冷たい手に
俺から触れる日はくるのだろうか。
友達の友達という絶妙な関係を保っていたのに、
君はいつのまにかチームの真ん中で笑っていた。
「滉くん、次コメントとっても良い？」
「やだよー。」
関係が近くなりすぎて
男として見れないとか言われないように、
時にはいじわるも必要だよね？
【作者より】だれがえらばれるのか。について→←entry#4 (K.M)
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A(プロフ) - たけふぁんさん» こんにちは。コメントありがとうございます。今回初めて書いたので不安な気持ちでおりましたが、とても嬉しいお言葉をいただいて嬉しかったです。またぜひ書かせていただければと思っています。 (11月12日 16時) (
レス) id: c571f15b0f (このIDを非表示/違反報告)
たけふぁん - いつもお話拝見させていただいてます。タケのファンなので、ストーリーの展開がリアルでめちゃくちゃキュンキュンさせてもらいました！また、タケのお話も書いて頂けたら嬉しいです！ (11月12日 2時) (レス) @page47 id: 349b9a69f5 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - るさん» はじめまして、コメントありがとうございます。記載の通りですが他の作品は現在公開しておりません。またいつか公開する日が来ればぜひよろしくお願いします🙇♀️ (11月9日 17時) (レス) id: c571f15b0f (このIDを非表示/違反報告)
る - はじめまして❣️お話全部キュンキュンしました😭よければ、他の作品などを拝見したいのですがパスワードを教えていただくことは可能でしょうか？🙏🏻 (11月9日 2時) (レス) id: d1c716dc22 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - miyuさん» 返信できておらずすみません。良いアイデアが浮べばぜひ書かせていただきたいです！リクエストありがとうございます！ (6月29日 10時) (レス) id: c571f15b0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：A | 作成日時：2023年1月7日 11時
