危機 ページ10
『…ショッピ？』
「っな、なんでもない！、からこっち見んといて…」
そう言って顔を背けるショッピに悪戯心が湧き出す。
気まずかった雰囲気はどこへ、私は口角を上げて彼の肩を数回突いた。
『ショッピーどーしたんですかー』
「やめて、弄らんといて、今は放っといて」
『やめてって言ってやめる馬鹿はいないんだよなぁ』
耳まで真っ赤なショッピの背中をツンツンと突いていると途端に視界がグルン、と天井に変わった。
私の家とは違う真っ白の天井。
何が起こったか理解できずにいるとお腹の辺りにどっしりと重みが加わり、私の顔の横に手が置かれた。
『んぇ…？』
「俺やめてって言いましたよね」
漸く私はショッピに押し倒されて馬乗りされている状況に気付く。
頭の中では警告音が鳴り、心臓はバクバクと波打ち、汗はドッと放出する。
マズい。そう思ったのは手遅れすぎた。
『ショッピ、やめて…』
「やめてって言ってやめる馬鹿はいない…自分で言っておいて忘れたとでも？」
自分の言ったことを丸々返されて黙り込んでしまう私を見てしてやったりとでも言うように笑った。
段々と近づいてくる端正な顔にギュ、と瞼を固く閉じた。
「…なんて、冗談っすよ」
『…へ？』
「生憎ゴリラとやる趣味はないので」
なんて言われてお腹の重みが消えた。
先ほどまで構えていた私が恥ずかしくなってすぐさまショッピの家を飛び出た。
『わいは八方美人の美少女さんです！医者にでも診てもらえ、ショッピのバーーーカ！！！』
なんて捨て台詞を吐きながら。
「……あっぶな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RE:0096 - 最初から死にかけてたのにpikさん出てきたから死んでしまいました(推しが尊い) (2020年9月4日 0時) (
レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - どーも悶え死にしました僕でぇす (2020年7月6日 17時) (レス) id: 8c6028ae84 (このIDを非表示/違反報告)
青年A - 雨の止まない街さん» 楽しんで頂けてとても光栄です。最後まで本当にありがとうございました！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: 071d1f2325 (このIDを非表示/違反報告)
雨の止まない街(プロフ) - 初コメ失礼致します。題名に惹かれ覗いたら見事目を奪われた者ですw完結おめでとう御座います！執筆お疲れ様でした。最後まで楽しませて頂きました！ (2020年5月25日 23時) (レス) id: 73a1ddffb6 (このIDを非表示/違反報告)
青年A - ありさんさん» 最後までありがとうございました！カロパ羨ましい (2020年5月24日 11時) (レス) id: 071d1f2325 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
