episode15.5 ページ7
かなり急いでいるぷんちゃんに手をひかれ、
たどり着いたところは体育館。
『なにこれ?
みんな何してんの??』
「じゃあA、
行こうか!!」
そういって、
ステージ脇にいる司会らしき人に
近寄るぷんちゃん。
「おおー!!
ここで学園の王子様、水貴智哉くん登場!!」
「ちょっとw
それやめてやw」
その間も私の手を離さないぷんちゃんに、
何をする気だと少し身構える。
そのまま静かに
ステージへ上がるぷんちゃんに、
私も必然的についていく形になる。
今まで、
ぷんちゃんは私に気をつかって、
2人でみんなの前にでることは
極力避けてくれていた。
それなのに、
こんなに大勢の前に2人でたつと、
会場は静まり返り、
私の心臓は暴れだす。
ぷんちゃんは司会らしき人から、
マイクを受け取ると、
「…2年3組、南條Aさん。
初めて君を見た時から、
俺は、君が好きです。」
ぷんちゃんの声は、
よく通る。
高すぎず、
でも男子にしては少し高めの
優しい声が、体育館に響く。
「俺がAを初めて見たのは、
あのダンスコンテストで、
Aが俺を知らないときから、
俺は、Aに惹かれていました。」
今にも零れ落ちそうな涙を
我慢しながら、ぷんちゃんの声を聴く。
「ゆっくり時間をかけて、
俺を見てもらおうって、
ずっとそう思ってた。」
一歩近づくぷんちゃん
「そろそろ…
俺の、彼女にならへん?」
そっと私の髪をなでると、
優しい声でそう言った。
『…な、る…
ぷんちゃんの、彼女に、
なりたい…で、す。』
嗚咽が邪魔してしまったけれど、
司会の人に向けられたマイクに
しっかりと通る私の声。
会場の大歓声とともに、
ぷんちゃんは私を抱き上げた。
幸せで、幸せすぎて、
今日という日が終わらなければいいのに、
なんて、柄にもなく、
乙女なことを考えたんだ。
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ゴリラ(プロフ) - ご指摘、ありがとうございます。外しました。申し訳ありませんでした。 (2018年8月14日 20時) (レス) id: 92baebc47b (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年8月12日 16時) (レス) id: 484c9d624e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゴリラ | 作成日時:2017年7月11日 1時